「まだ全然高校生役いけるな」27歳の吉野北人が違和感なく「高校生」の世界に入っていけたワケ
文春オンライン / 2025年2月1日 6時0分
©佐藤亘/文藝春秋
〈 主役でありながら目立ってはいけない…「全員が主人公」で吉野北人が背負ったこと 〉から続く
映画『 遺書、公開。 』で、地味で目立たない高校生・池永柊夜(いけなが・しゅうや)を演じた吉野北人にインタビュー。
撮影の裏話や、アーティスト、俳優としても活躍するTHE RAMPAGEのボーカリストとしての吉野さんの信念などをお聞きしました。(全2回の後編/ 前編 を読む)
◆◆◆
まだ全然高校生役いけるな、って
──『遺書、公開。』では、前回吉野さんが主演を務めた映画『私がモテてどうすんだ』(20年)に続き、高校生役を演じています。年齢的に、戸惑いはありませんでしたか?
吉野北人さん(以下、吉野) 見た目的には大丈夫だろうと思いましたが、自分の気持ち的には少し不安でした。
ただ、僕の通っていた高校が学ランだったので、当時のことを思い出しながら、違和感なく「高校生」の世界に入っていくことができました。まだ全然高校生役いけるな、って思ったくらいです(笑)。
──共演者のみなさんとも、本当のクラスメートのようだったのではないでしょうか。
吉野 そうですね。一通りみんなと話しましたが、席が近かった志田彩良さん(廿日市くるみ役/序列20位)や、僕と同じようにアーティストとしても活躍している琉弥(宮世琉弥:千蔭清一役/序列16位)とはよく話しました。
志田さんは映画のキャラクター通りの真面目でおとなしい印象でしたが、よくお話ししている明るい「陽キャラ」で、そのギャップに最初は驚きました。
髙石あかりさん(御門凛奈役/序列3位)とはご一緒したのがはじめてだったんですけど、本読みのときの演技力が半端なくすごくて、大ファンになりました。
髙石さんも宮崎県出身なので、どこのお店のチキン南蛮が美味しいというような地元ネタでも盛り上がりました。
「自分をしっかり持とう」と思えるきっかけになれば
──楽しそうですね。ただ本作は、高校を舞台にはしていますが、明るくキラキラの青春モノではありません。
吉野 そうなんですよ。ここまであからさまではないにせよ、カーストや序列は、学校だけではなく、職場や趣味のグループなどでもあると聞きます。それでも、信念を持って自分を貫き通せば、きっと生き方が揺らぐことはない。だからこの映画は、「自分をしっかり持とう」と思えるきっかけになればいいなと思っています。
まわりの空気や流行、あるいはデータなど、世の中には人を惑わせるものがたくさんありますが、結局は自分次第なのではないかと思うので、僕はこの作品を観た方に「あなたならどうする?」と聞いてみたいです。
「役者・俳優」という仕事は異次元の挑戦
──吉野さんは、歌にダンスに俳優に……と「生き方」の選択肢をたくさんお持ちです。ご自分の信念を曲げないために意識していることはありますか?
吉野 僕はアーティスト・歌手である自分を、第一に考えています。映画主演のお話をいただけるのも、僕がTHE RAMPAGEのメンバーだからで、いまの肩書きがなかったら、俳優としてはきっとやっていけないと思っています。それほど、「役者・俳優」という仕事は、僕にとって異次元の挑戦なので、いつも心して取り組んでいます。
──役者としての吉野さんも目覚ましい活躍ですが、ご自身では納得がいかないということですか?
吉野 納得がいくかどうかではなく、僕にとってはまったく違う世界なんです。役者はキャラクターをイチから自分で作り上げる仕事です。「自分を出す」のではなく、役柄を深掘りして自分なりに作り上げた人物像を前面に出していくので、役にとことん向き合う覚悟が必要で責任も重い。
それに対して、僕が考えるアーティストは、「自分」をとにかく前に出し、どこまで自分を表現できるかが重視される世界です。いまの僕にとっては、こちらのアーティストの世界のほうがわくわくするし、しっくりくる、ということです。
それにライブだと目の前にお客さんがいて、ダイレクトに反応がわかりますが、映画の場合は、作品公開までかなり時間がかかるうえに、直接お客さんの反応も見られない。その違いも大きいと思います。
主題歌はあえてパワフルなロックサウンドに
──THE RAMPAGEが歌う今作の主題歌「Drown Out The Noise」の、映画の独特な世界観を象徴しているようなサウンドも印象的でした。
吉野 この楽曲は僕がデモから関わりました。最初はもう少しホラー系というか、どんよりした曲調を考えていたのですが、作品がドロドロしているからこそ、主題歌はぶった切ったほうがいいと思い直し、エッジの効いたギターフレーズと、パワフルなロックサウンドで表現しました。
映画の最後に驚きの展開が待っているのですが、それもふまえて、力強いロックで締めました。
──メンバーの反応はいかがでしたか?
吉野 メンバーはまだ映画を観ていないので感想はこれから聞きますが、楽曲に対しては、「めっちゃかっこいい」と言ってくれました。ライブでも歌えるように、しっかりダンスパートも入れたので、ライブでも早くお披露目したいです。
LDHでの苦労があったからこそ成長できた
──2025年はグループ結成から11年、THE RAMPAGEデビューから8年です。これまでをふり返ってどんな10年でしたか?
吉野 この仕事をしていなかったら、もっと言うと、LDHに入っていなかったら、歌やダンス、アーティストとしての在り方はもちろん、人間としてここまで成長できていなかったと思います。これまで本当に大変だったんですが、その大変だったことがすべていまの自分を作ってくれたと感謝しています。
芝居もパフォーマンスも、技術以上に、人としての魅力が大事だということを教えてくれたのも、LDHの先輩や仲間たちでした。つらい経験や大変な思いをしているからこそ伝えられる表現もあるし、苦労したからこそ得られるものも大きい。だから、本当に苦労してよかったといまは思っています。
──目標とされる方や憧れの方はいらっしゃいますか?
吉野 昔はいましたが、いまは特定の誰かを思い描くことはしていません。WBC第5回大会の決勝戦前に大谷翔平選手が「憧れるのをやめましょう」と発言して話題になりましたが、憧れてもその人に自分がなれるわけではありませんし、憧れていたらその人を乗り越えることはできません。だから、自分の道を自分で切り拓き、自分らしくいられる人でありたいと思っています。
最近ハマったカメラ、「奥が深いんですよね」
──仕事や趣味での目標はありますか?
吉野 最近カメラを始めました。もともとスマホで写真を撮るのが好きだったんですけど、単純に「いいカメラで撮ったらもっといい写真が撮れるんじゃないか」と考え、軽い気持ちで一眼レフを買ったんです。
でもカメラって、奥が深いんですよね。100枚撮って5枚納得できる写真が撮れたらいい、くらい毎回いい写真が撮れず、苦労しているのですが、いま2台目を考えていまして……。「ライカ先生」なんですけど、ライカはさらに難しいと聞きますし、値段も高いんですけど、あの質感がいいなと思って、狙っています。
──アーティスト、表現者としてさらに成長されそうで楽しみです。
吉野 ありがとうございます。実は2025年の自分に対しては、自分でも、わくわくしているんです。今年はきっと僕にとってすごい年になるんじゃないかと勝手に想像しているので、表現者としてもっと成長できるよう磨いていきたいです。
昔から理想が高く、その高い理想に自分が挑戦していることにわくわくするタイプなので、今年の僕にはどうぞ期待してください。
撮影 佐藤亘/文藝春秋
ヘアメイク 大木利保(CONTINUE)
スタイリスト 吉田ケイスケ
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『遺書、公開。』
2025年1月31日(金)全国公開
監督:英勉/脚本:鈴木おさむ/出演:吉野北人、宮世琉弥、志田彩良、松井奏(IMP.)、髙石あかり、堀未央奈、忍成修吾/原作:陽 東太郎「遺書、公開。」(ガンガンコミックスJOKER/スクウェア・エニックス刊)/企画製作:HI-AX/製作プロダクション:ダブ/2025年/日本/配給:松竹/©2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©陽東太郎/SQUARE ENIX
(相澤 洋美/週刊文春CINEMA オンライン オリジナル)
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