「“その日”が来るときに、隣の部屋にいてほしい」ガンが進行して安楽死を望む親友に寄り添う日々 「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」を採点!
文春オンライン / 2025年2月4日 17時10分
©2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. ©El Deseo. Photo by Iglesias Más. 配給:ワーナー・ブラザース映画
〈あらすじ〉
戦場ジャーナリストのマーサ(ティルダ・スウィントン)と小説家のイングリッド(ジュリアン・ムーア)は、かつての同僚で親友同士だ。長年音信不通だったが、マーサの末期癌を知ったイングリッドが見舞いに行き、2人は長年の空白を埋めるかのように語り合う。
癌が進行して手術ができないマーサは、安楽死を望んでいた。「“その日”が来るときに、隣の部屋にいてほしい」と頼まれたイングリッドは、悩んだ末にマーサに寄り添うことを決意し、森の中の家でマーサと暮らし始める。
〈解説〉
死を恐れる小説家が、死に向き合う親友に寄り添う日々を描く。『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』に続くペドロ・アルモドバル監督・脚本の人間ドラマ。第81回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞。107分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆女同士の深い友情を背景にした映画は希少。泣き喚くことなく運命を受け入れる2人。画面の色使い、この監督ならでは。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★★死を凝視して陰惨にならない。脚本がよく練られ、演技の精度も高い。開かれた心で人生最後の難問に立ち向かっている。
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斎藤綾子(作家)
★★☆☆☆映像は美しく物語は深刻。寄り添う覚悟をした友に欲望を押し付ける重病人の厚かましさに辟易。己を知る刺激はある。
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森直人(映画評論家)
★★★★★同じ主題と心を唄い続けながら途轍もない深みに達したアルモドバルの歌。格好良い大人達の魂が籠もった圧巻の名篇だ。
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洞口依子(女優)
★★★★☆ホッパーの絵画の世界に佇む様なティルダ。色設計やユーモアも含まれ「死」や「病」に対しネガティヴな感情が和らぐ。
INFORMATIONアイコン
ザ・ルーム・ネクスト・ドア(スペイン)
1月31日(金)より全国公開
https://warnerbros.co.jp/movies/detail.php?title_id=59643&c=1
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年2月6日号)
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