「ママ活した。3万もらった」「50代の女性2人と性行為をして…」“母親から性暴力”を受け続けた高2息子が、高校時代に見せた性被害の後遺症
文春オンライン / 2025年2月7日 6時0分
![「ママ活した。3万もらった」「50代の女性2人と性行為をして…」“母親から性暴力”を受け続けた高2息子が、高校時代に見せた性被害の後遺症](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/bunshun/bunshun_76647_0-small.jpg)
写真はイメージです ©yamasan/イメージマート
〈 「お父さんに抱かれてる気持ちになる」母親が高2息子を襲い、性行為を強要…実の母から性暴力を受けた当事者が明かす、男性の性被害の実態 〉から続く
性暴力は、「魂の殺人」とも呼ばれている。子どものころに受けた被害は、心身に深い傷を刻み込み、その後の人生にも大きな影を落とす。当事者たちはどのような環境下で被害に遭い、どんなトラウマを抱えて生きているのだろうか?
ここでは、当事者たちの声を収めた書籍『 ルポ 子どもへの性暴力 』(朝日新聞出版)より一部を抜粋。実の母親から性暴力を受けた男性の声を紹介する。(全2回の2回目/ 最初 から読む)
◆◆◆
性被害の後遺症としての「ママ活」
少年は友人宅に行くなどして、なんとか母を避けようとしたが、「寂しいと言って泣くので、かわいそうになって応じた」などと言い、後ろめたさを感じながら、母からの求めに応じていた。
2022年6月、少年から梅原さんのもとに、こんなメールが届いた。
「母に彼氏ができた。見捨てられた。ゲス母。怒」
電話もかかってきて、1時間半ほど話を聞いた。少年は母親の悪口を言い、母親のことを「加害者」と繰り返した。数日後、さらにメールが来た。
「ママ活した。3万もらった。大学は薬学部を受けたい。母から離れたい」
「ママ活」の相手はいずれも50代の女性で、2人いるという。毎週末に会って、食事をごちそうになり、話を聞き、セックスをして4万円をもらうと教えてくれた。少年にとっては「セックスが上手」「かっこいい」などと褒められるのは気分がいいが、罪悪感もあり、「自分もクソなことしている」と自覚する。
相談を受け続けてきた梅原さんは医療職で、長年、電話やSNSで若者の性の問題についての悩みを聞き、学校現場でも講演をしてきた。少年について「母親に新しい彼氏ができて捨てられたことがわかり、自分が道具として使われてきたことを悟ったようだ」とみる。
「『ママ活』は性暴力被害の後遺症としての性化行動。母親に征服された体で、母親と同世代の女性の体を征服することで、なんとか自分を保っているのだと思う」
自分の性を自分でコントロールしようと性行動に出る
性被害は自分の性を加害者にコントロールされた経験だ。被害者は男女を問わず、その体験を塗り替えたくて、自分の性を自分でコントロールしようと性行動に出ることは珍しくない。
高校3年になった少年は勉強しているときだけが「自分でいられる時間」と話す。また、「自分の体は自分のもの。だから自慰は悪いことじゃないと(梅原さんから)聞いたときは衝撃的だった」と梅原さんに打ち明けた。
「母からは性器に触らないように小さいときからずっと言われてきた。自分の体は自分のものだともっと早くから知っていたら、母にも自分の体と言えたかもしれない」とも言った。
記者は梅原さんを通して少年に直接取材を申し込んだが、「まっとうなことをしていない僕が取材を受けるのは違うように思う」と返事が来た。同時に、「だけど、僕と同じように母親とか父親にセックスされて悩んでいる子もいると思うので(僕が話したことは)記者に全部話して構わない」と語った。
「3人に性交を強要された」少年からの相談も…
梅原さんのもとには、他の少年からの相談もある。4年ほど前から2年にわたって電話相談を受けた未成年の少年は、アルバイト先の先輩の女性に誘われて部屋に行ったところ、先輩の友人の女性2人も加わって、3人に性交を強要されたと言った。
体の反応を笑われ、心をズタズタにされた。「でも体だけは快感を得た」と話した。その後、少年は3人のうち、優しく接してくれた1人に誘われ、部屋に行くという日々を繰り返した。
1年もすると、少年は大学の先輩たちとカラオケボックスで「乱交パーティー」を開くようになった。連れて来られた女の子が嫌がっても、自分の経験から「やれば気持ち良くなる」と思い、行為を続けた、と打ち明けた。梅原さんは、性的同意の大切さや被害者にとって一生の傷になるということを伝えたが、「どこまで理解したかはわからない」と懸念を示す。
また、高校2年の男子からは、父の再婚相手の義母との関係についての相談もあった。義母を女性として見てしまう自分もいて、酒に酔った義母が布団に入ってきて性行為をした、と打ち明けられた。児童相談所に連絡する方法があることも伝えたが、「よくないことをしているのはわかっている。でも被害に遭ったとは思っていない」と返事があった。
自分が被害者と思えない少年は多い
梅原さんは「女性から受ける男子の被害は、本人が物理的には快楽を覚えることが多い。いけないことだとわかっていても、自分が被害者と思えず、むしろ共犯者だと思いがちだ。それに男の子は加害に転ずることも少なくない」と指摘する。
長年、若者からの性についての相談に乗ってきて、様々な問題を熟知する梅原さんが最も大事にしているのは、子どもたちの主体性だ。「私には話を聞くことしかできないが、吐き出すことで彼らが楽になるならと思って耳を傾けている」と話している。
(朝日新聞社会部)
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