「日本は美容広告が多すぎる」「アメリカでは整形や脱毛の広告を見かけない」帰国子女の元ヤンチャギャル(28)が、21年ぶりの日本で感じた“カルチャーショック”
文春オンライン / 2025年2月9日 11時0分
![「日本は美容広告が多すぎる」「アメリカでは整形や脱毛の広告を見かけない」帰国子女の元ヤンチャギャル(28)が、21年ぶりの日本で感じた“カルチャーショック”](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/bunshun/bunshun_76731_0-small.jpg)
インフルエンサーのYunaさん ©細田忠/文藝春秋
〈 「アメリカでは交際前に体の関係を持つ」「体の相性は試さないとわからない」帰国子女の元ヤンチャギャル(28)が語った、日本とアメリカの“恋愛ギャップ” 〉から続く
YouTube登録者数35万人超を誇るインフルエンサーのYunaさん(28)。日本で生まれた彼女は、6歳から中国で過ごし、10歳でアメリカに移住した。2024年5月、ロサンゼルスから21年ぶりに東京へ戻ってくると、久しぶりの日本で大きなカルチャーショックを受けたという。
日本とアメリカ、中国では、いったいどのような価値観のギャップがあるのか。Yunaさんは久しぶりの日本で、どんなカルチャーショックを受けたのか——。著書『 北京・ハワイ・LAに移住してたどりついた どんな逆境もホームにする生き方 』(KADOKAWA)を上梓した彼女に話を聞いた。(全2回の2回目/ 1回目 から続く)
◆◆◆
ルッキズムを助長する広告が多い日本
――2024年5月に日本に戻ってきたとき、日本の広告に驚いたそうですね。
Yunaさん(以下、Yuna) 外見に関する広告の多さに驚いて。特に、「バーキン買うなら豊胸しろ」と書かれた広告を見たときは目を疑いました。美しさの価値観なんて、人それぞれのはずなのに。
豊胸以外にも、脱毛やダイエット、薄毛、整形といった、見た目を意識させる広告が日本には溢れていますよね。最近は意識的に、そういった広告を見ないようにしているんです。
――なぜ見ないようにしているのですか。
Yuna 知らず知らずのうちに「美しさとはこうだ」「美しくないと価値がない」という価値観が植え付けられていくような気がして、怖くなっちゃって。広告がルッキズムを助長しているというか。
「婚活」という言葉に感じる価値観の押し付け
――たしかに、コンプレックスを刺激するような広告が多いかもしれません。
Yuna あと、マッチングアプリの広告が多いのも気になります。マッチングアプリ自体は、世界的に流行っているし、便利なものだと思うんですよ。でも、日本の広告で使われる「婚活」という言葉に違和感があって。
誰かとお付き合いするのも、結婚するのも、自由でいいと思うんです。でも、「婚活」という言葉からは、「結婚するために活動すべき」「誰かとお付き合いすべき」というプレッシャーを感じてしまうんですよね。
容姿や結婚に関することに限らず、日本には固定観念を植え付ける広告や表現が多いなって思います。
――普段から日本に住んでいる人でも、「広告の多さが気になる」という人は多い印象です。
Yuna 私も旅行で日本に来ていたときは「広告が多いな」と感じる程度でした。でも、実際に住んだら、スマートフォンを開くと広告、電車に乗っても広告、タクシーに乗っても広告、街を歩いても広告で……。
今は「おかしい」と思っていても、常に目にしていると、悪い意味で慣れていってしまう気がするんですよね。
アメリカで整形や脱毛の広告を見かけないワケ
――日本ではルッキズムが問題視されていますが、アメリカや中国ではどうなのでしょうか。
Yuna 中国は、日本と同じくらい見た目を重視する傾向が強くて、整形している人も多いです。小学校時代の同級生たちをSNSで見ると、整形で面影がなくなっていて「誰だか分からない」なんてことも何度かありました。
一方アメリカは、外見の多様性を尊重する文化で、見た目に関する露骨な広告は規制されています。街中でもスマホ上でも、整形や脱毛の広告を見かけることはありません。
ただ、「見た目の美しさの基準」はアメリカ人も持っているな、と感じますね。例えばアメリカでK-POPが流行っているのも、その1つの表れだなって。
――アメリカでK-POPが流行るのと、ルッキズムにどんな関係が?
Yuna K-POPアイドルって、目鼻立ちがはっきりしていて、手足が細い人たちばかりですよね。アメリカは表向きでは「みんな違って、みんな綺麗」という文化が浸透しているように見えますが、実際は多くの人がK-POPに魅力を感じている。
それは、アメリカ人も一般化された見た目の美しさに価値を見出している、ということの表れだと思うんです。
――程度の差はあれど、アメリカにもルッキズムはある、と。
Yuna アメリカでも他人の外見を悪く言う人はいるんです。でも、アメリカではルッキズムで人を傷つける行為は明確に「悪」だとされているから、人の容姿をどうこう言う人は「やばい人」認定されます。だから、ルッキズムはあっても表面化しづらいのかなと。
アメリカで整形手術をする人が少ない理由
――日本では、容姿への評価を気にして、整形を検討する人も少なくないですよね。アメリカではどうでしょうか。
Yuna アメリカでも、ボトックスやヒアルロン酸注入などの美容医療をする人はいますが、整形手術をする人は日本ほど多くないと思います。少なくとも、私の周りでは聞いたことがないですね。
――容姿にコンプレックスを感じていても、それを他人から指摘される機会が少ないから?
Yuna それもありますが、「整形へのアクセスの悪さ」の影響も大きいと思います。アメリカにも整形クリニックはありますが、先ほどもお話ししたように、日本みたいにスマホや街中で整形の広告を見かける機会がほぼないんです。
自分から調べにいかない限りは、どんな整形手術があるかも分からないし、値段も分からないし、そもそもクリニックがどこにあるかも分からない。
だから、自分の容姿にコンプレックスを抱いていたとしても、整形が選択肢にあがってこないのだと思います。
「胸が小さいことを気にしているなら…」日本はコンプレックスを隠す前提のファッションが多い
――容姿や見た目に関連して、服装について価値観のギャップを感じることはありますか?
Yuna 私は体のラインが出る服が好きなのですが、日本は全体的にゆったりとした服が多いですよね。
好きなデザインの服を見つけても、試着しようと思って店員さんに声をかけたら「その服、意外と体型をきれいにカバーしてくれるからおすすめです!」と言われることが多くて。
「脚が太いことが気になるなら、脚のラインが分かりづらい服を着る」「胸が小さいことを気にしているなら、胸のラインが分かりづらい服を着る」といった、“コンプレックスだと感じている部分は隠さなければいけない”前提の服が多い気がしています。
――アメリカでは、体型に関係なく自分の好きな服を着る人が多い印象がありますが、実際はどうなのでしょうか?
Yuna アメリカ人も、日本人と同じように体型にコンプレックスを持っている人はたくさんいます。「スリムな体型が理想」と思っている人も少なくない。
ただ日本と違うのは、そういう価値観と、実際に着る服は関係ないんです。「私の脚、いけてないなぁ」とコンプレックスを持っていても、ショートパンツやミニスカートを穿く。アメリカ人は、日本のように「コンプレックスは隠さなければいけない」と考えている人が少ないように思いますね。
日本は選択の基準を「他人」に置き、アメリカや中国では「自分」に置く
――中国はどうですか?
Yuna 中国にも周りの目を気にして着る服を選ぶ人はいますが、日本よりは自由な印象です。年齢や体型に関係なく、ミニスカートが好きな人はミニスカートを穿いています。
――どの国でも体型にコンプレックスを抱えている人がいるのに、服を選ぶ基準は変わるのですね。
Yuna 日本は選択の基準を「他人」に置いていて、アメリカや中国では「自分」に置いているからかな、と思います。
容姿や服装だけじゃなく、コミュニケーションでもそうですよね。日本人は「今日は天気が良いですね」といった、当たり障りのない話をする人が多いなって。
相手を知ろう、自分を表現しようというよりも、いかに周囲に溶け込めるかを重視する傾向が、日本は強いなと感じます。
「女性が夜道を1人で歩ける」21年ぶりの日本で素晴らしいと思ったこと
――久しぶりに日本に住んでみて、「良いな」と思った部分も教えていただけますか。
Yuna 安全面では、日本は格段に素晴らしいですね。女性が夜道を1人で歩ける国は、ほとんどないですから。財布を落として戻って来ることが多いのも、日本だけじゃないですかね。
――アメリカや中国では、安全面で気を使うことが多かった?
Yuna アメリカの治安は都市によって違うのですが、私がロサンゼルスに住んでいたときは、治安が良いとは言えない場所にいたので、ヒヤッとする場面は多かったです。
たとえば、自宅から徒歩15分のピラティススタジオに通っていたとき、その道中だけでも薬物をやってふらふらしている人や、大声で汚い言葉を叫んでいる人を3人くらい見かけたんですよ。
――それは怖いですね。
Yuna 1人で街中を移動しなきゃいけないときは、何かあってもすぐに逃げられるように、なるべくスクーターで移動したり、催涙スプレーを持ち歩いたりしていました。
――中国の治安はいかがでしたか?
Yuna 私が住んでいた北京は、治安の面では良いほうだったと思います。でも、言論の自由に制限があるのはショッキングでしたね。
政府の悪口を街中で話していたら覆面警察に捕まるし、SNSで政府批判をするとブロックやバンされますから。アメリカとは違った意味で、危ないなと思います。
都会も地方も道路が整備され、医療へのアクセスも良い日本
――安全面以外で、日本の良さを感じる場面は?
Yuna 日本は社会がしっかり整備されている印象です。「税金の無駄遣いでは?」と思うことはありますが、都会も地方も道路がきれいに整備されているし、医療へのアクセスだってすごく良い。
一方で、アメリカや中国は道路の整備が行き届いていない地域も多いですし、医療機関にかかるのも本当に大変ですから。
――アメリカや中国に住んだ経験があるYunaさんだからこそわかる、日本の良さかもしれません。
Yuna ただ、アメリカは節税しやすい仕組みになっているんですよ。少し前に、「アメリカ大統領のトランプさんは長年税金をほとんど払っていなかった」というニュースが話題になっていましたよね。賛否両論はあるかもしれませんが、どんなにお金を稼いでいる人でも工夫次第で税金を抑えられるんです。
――1つの面だけ切り取って、良い悪いを判断するのは難しいですね。
Yuna そうなんです。どの国にも良い面と悪い面がある。日本は容姿や服装など、周りの目を気にしすぎる部分はありますが、その分、他人への配慮や公共の場でのマナーはすごく良いじゃないですか。
その国の文化や歴史を理解したうえで、「自分の価値観を大切にするために、広告はできるだけ見ない」など、自分なりのバランスを見つけていけると、どんな環境でも自分らしさを保ったまま過ごせるんじゃないかな、と思います。
撮影=細田忠/文藝春秋
(仲 奈々)
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