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「交差点付近を通ると」下水のような匂いが…八潮市で陥没した道路で数年前から起きていた“異変の兆候”

文春オンライン / 2025年2月7日 11時0分

「交差点付近を通ると」下水のような匂いが…八潮市で陥没した道路で数年前から起きていた“異変の兆候”

埼玉県八潮市の県道交差点で道路が陥没した現場付近 ©時事通信社

 にわかには信じられない事故が発生したのは1月28日のことだった。埼玉県八潮市の県道交差点で道路が陥没し、その4秒後に交差点を曲がってきた小型トラックが転落したのだ。現場では車内に取り残された74歳の男性の救助活動が2月3日現在、懸命に続けられている。

「事故は午前9時50分ごろに発生。穴は長径約10メートル、深さ約5メートルでしたが、その後も崩落が続いて、穴の大きさは長径約40メートル、深さ約15メートルの巨大な楕円形となりました」(社会部記者)

事故現場の周りを囲うように発炎筒を焚いた人々がヒーローに

 事故直後に即座に現場に駆けつけたのは、現場近くで新車・中古車販売や自動車修理を手がける「秋葉自動車」の社員たちだった。現場の近隣住民が語る。

「消防の救助隊が駆けつけるまで事故現場の周りを囲うように発炎筒を焚いて、現場に接近する車に危険を知らせるとともに、交通誘導を行い、現場の混乱を防いだ」

 その社員たちの対応の様子を映した動画が瞬く間にネット上に広がり、「事故の拡大を未然に防いだ隠れたヒーロー」とSNS上で多くの賞賛の声があがった。

「秋葉自動車は従業員10名ほどで、長く事故現場の付近に作業所を構える“街の修理屋さん”。動画拡散後、インタビュー依頼が殺到しましたが、まだ救助作業が続いているためか、『今はそっとしておいてほしい』と取材は断っている」(前出・記者)

「道路がひび割れている箇所が結構あったんです…」

 事故発生の翌日には、複数のクレーンで荷台部分が引き上げられたが、キャビン(運転席)は引き上げることができなかった。

「その後、穴の斜面にスロープを作り、土砂を取り除くための重機を投入することに成功しましたが、現場に下水と思われる水が流れ込み救助は難航した」(全国紙記者)

 今回の崩落の原因として指摘されているのが、下水管の老朽化と腐食だ。

「現場の下水管は交差点に沿ってカーブするような形で敷設されている。その下水管が破損して、そこに徐々に土砂が流れ込み地中に空洞を作り、道路が一気に崩落した可能性が高い。通常下水管の耐用年数は50年とされるが、今回の事故現場の下水管の使用年数は42年。2021年度の県の調査では緊急対応の必要がないと判断されていました」(同前)

 だが現場近くで働く会社員は“前兆”があったと証言する。

「この辺りは道路がひび割れている箇所が結構あったんです。それに何年前からか、交差点付近を通ると、下水のような臭いがしていた。常時強烈な臭いがしているわけではなく、時々“なんか臭い”と思うくらいでしたけど」

 一刻も早い事故原因の究明がのぞまれる。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年2月13日号)

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