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黒崎輝、志穂美悦子、真田広之……JAC勢ぞろいの青春コメディ!――春日太一の木曜邦画劇場

文春オンライン / 2025年2月11日 17時0分

黒崎輝、志穂美悦子、真田広之……JAC勢ぞろいの青春コメディ!――春日太一の木曜邦画劇場

1984年(101分)/東映4950円(税込)/2月12日発売予定

 その利便性やラインナップの充実もあり、映画鑑賞は配信が主流になりつつある。本連載でも「こんな作品も配信されている!」とよくネタにしてきた。が、それでもDVDやBlu-rayのソフトを継続して出している各レーベルを応援していきたい。

 それは、各レーベルともに苦しい状況下で折れることなく、それぞれに工夫しているからというのもある。だが、それだけではない。

 配信は、たしかに便利だ。ただ、各プラットフォームがその作品の配信を停止したり、あるいは運営自体が終わったりすれば、もう二度と作品に触れられなくなってしまうのだ。その点、DVDなどは一度購入しておけば、再生機が永久に入手・修理できない状況にでもならない限り、作品の視聴はできる。旧作の検証を生業とする身としては、ソフトを出し続けてもらうことはアーカイブとしても大きな価値があるということだ。

『コータローまかりとおる!』は、配信は以前からされていたが、この二月、新たにDVDが発売されるので、今回取り上げることにする。

 本作は、千葉真一が率いるJAC(ジャパンアクションクラブ)と鈴木則文監督が組んだ青春コメディ映画。JACの若手スター候補として期待されていた黒崎輝が主人公の高校生・功太郎を演じる。

 野生児のように暴れまくる功太郎は幼稚なスケベ心の持ち主で、その類稀な身体能力をエッチな欲求を満たすためだけに注ぐ。初登場シーンからして、交通標識に逆さにぶら下がって女子更衣室を覗くというもの。その後もスカートめくりをしたり、来日したヨーロッパの王女から下着を盗むと宣言したり――。

 といっても、決して厭らしくは映っていない。というのも、黒崎が素朴な少年のような風貌で、いつも自然な無邪気さを醸しており、その言動に可愛げが生まれているためだ。鈴木監督の牧歌的で陽気な演出もあいまって、むしろ爽やかな印象すら与える。

 JAC勢が勢ぞろいで華を添えているのも、大きな魅力だ。悪の組織のリーダー「紅バラ」に志穂美悦子。そのナンバー2に伊原剛志。学園の特別機動隊長に大葉健二。王女の付き人役で、短いながら千葉真一も出ている。

 特に注目は真田広之だ。キザでハンサムな風紀委員長を演じており、嬉しいことに得意の日本舞踊を披露してくれているのだ。その妖艶さには見学している女生徒たちと同じく、惚れ惚れしてしまう。

 もちろんアクションも最高だ。黒崎のヌンチャク、大葉の刀、伊原の鞭、そして真田はフェンシング。それぞれ見せ場も用意されている。

(春日 太一/週刊文春 2025年2月13日号)

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