《「日本の恥」がXのトレンド》トランプ大統領との会談「だらしない」と批判され…石破首相の振る舞いにイライラする本当の理由
文春オンライン / 2025年2月11日 6時0分
![《「日本の恥」がXのトレンド》トランプ大統領との会談「だらしない」と批判され…石破首相の振る舞いにイライラする本当の理由](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/bunshun/bunshun_76839_0-small.jpg)
石破首相 ©︎時事通信
ネットがイライラしていた。先週、「日本の恥」がXのトレンドとなった。一体何事かと思ったら日米首脳会談での石破茂首相の振る舞いのことだった。
産経新聞の速報は?
次の記事を見てほしい。産経新聞の速報からもイライラが伝わってくるようだ。
『石破首相、肘掛けに腕を乗せたまま握手「だらしない」、日米首脳会談の振る舞いに批判』(産経ニュース)
石破首相はトランプ大統領とホワイトハウスで会談した際、椅子にもたれかかるように座り、肘掛けに左腕を乗せたままトランプ氏と右手で握手する映像が流れたと伝える。
《与野党や識者からは、今後の日本外交を懸念する声も上がっている。》
な、なんという非常事態だ。さらに、トランプ氏が共同記者会見を終えると石破首相と握手もしないまま会場をあとにしたということで、
《石破首相の振る舞いと、トランプ氏の対応について、日米関係を不安視する意見が出ている。》
ああ、首脳会談なんてしなきゃよかった。そう思えてくる記事だ。では他紙では日米首脳会談はどんな評価をされているのだろう。
朝日新聞、読売新聞の評価
朝日新聞の社説は「まずまずの滑り出しとなった」(2月9日)。読売新聞は「石破首相はトランプ米大統領との首脳会談で安全保障と経済分野で日米の結束が揺るぎないことを示すことに成功した」(2月9日)。産経のようなイライラはなく、とりあえずは円満に終わった感を出している。では念のために同日の産経新聞を見てみよう。何と書いていたか。
同日、産経新聞には何と書かれていたか
『円満会談 安倍氏が礎』(一面トップ記事)
《安倍晋三元首相がトランプ氏と築いた親密な関係が、円満な会談を演出した。》
すべては安倍さんのおかげだった。石破に手柄なんてない。そんなムードが漂う。一面コラム「産経抄」も会談の成果は石破首相が引き出したものではなく、「亡き安倍晋三首相の時代から、築いた信頼関係を下地として、両政府が有益な議論を重ねた証しだろう」と書いていた。
ここまで読んで気づいたことがある。石破首相の振る舞いについてイライラしている言説を調べてみると、安倍元首相を応援していた人々と親和性が高いことに気づくのだ。冒頭に紹介した産経記事には「与野党や識者からは、今後の日本外交を懸念する声も上がっている」とあったが、ここでいう与党とは自民党安倍派議員、野党は日本保守党議員、「識者」とは安倍氏に関する著作がある作家だった。
本当に首相の「振る舞い」を問うなら…
安倍氏の支持者からすると、かつて安倍氏を批判していた石破氏が首相となった今の状況は受け入れ難いのだろう。政策はもちろん振る舞いから許せない、安倍さんのほうがよかった、それに比べて石破なんてマナーすら……という。なのでトランプ大統領が少しでも石破首相を褒めようものなら複雑な気分になってしまう。だからイライラしてしまうのではないか。
興味深いのは、テレビでよく見る「マナー講師」に対してはネット、SNSは厳しいことだ。マナー、マナーと言う講師に対し「失礼クリエイター」という呼称がついたこともある。しかし石破氏に対しては安倍氏の支持者がマナー講師になっているようにも見える。もちろんバラエティー番組でショーアップされたマナー解説と、首相の国際的な場でのマナー論議はレベルが違う。でも本当に首相の「振る舞い」を問うなら仕草だけでなく他にもたくさんある。
高額療養制度の上限引き上げ、森友文書問題は?
たとえば高額療養費制度の上限引き上げだ。この切実な問題、実は厚労省の資料や証言を基に遡っていくと、議論は唐突に、そして急速に進んでいったことが浮かび上がると「週刊文春」(2月13日号)が伝えている。昨年11月の石破首相の号令の下、引き上げはわずか4回だけの会議で決まり、「本当に議論できたのは2回くらい」と厚労省委員が証言している。石破首相の言う「熟議」とは正反対の振る舞いではないか。
一方、先週は『森友文書 存在認める 「不開示」取り消し 政府上告せず』(朝日新聞2月7日)というニュースもあった。石破首相が上告見送りを指示した。
一連の改ざんを苦に自死した元財務省近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)。思えば公文書を改ざんするなんて当時の政権・政府の最悪の振る舞いと言える。安倍氏の時代だった。「椅子にもたれかかるように座る」(by石破)のとは比べ物にならない。振る舞いを声高に問うならここだろう。公文書は国家の基本。改ざんさせるなんて「国益」に反している。これも日本の恥ではないのか?
さてもう一度、日米首脳会談の話に戻ろう。トランプ氏とは円満会談だったというが、毎日新聞は社説で「石破・トランプ初会談 理念かすむ実利優先外交」と書いた。安全保障と経済の両面で日米同盟を強化することでは一致したが、「法の支配」や国際ルールの重要性を確認できたか疑わしいと。
トランプ大統領にはここ最近だけでも温暖化対策の「パリ協定」離脱、パレスチナ自治区ガザ地区の米国による「所有」発言などがある。つまり《国際法やルールに背を向ける振る舞いを続ける》(毎日新聞)。
まさに振る舞いという言葉が出てきた。こうしたことに石破首相は何も言及しなかった。さらに言えば石破氏の振る舞いに対しては敏感なのにトランプ大統領の国際社会への度を越したマナー違反や振る舞いはスルーで良いのだろうか。
すいません、結局いろんな人の振る舞いが気になってきてしまいました。
(プチ鹿島)
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