顧客が “買わない”理由の検証は、なぜ失敗する?「ニーズ断捨離」の具体的手法

Business Journal / 2014年12月17日 6時0分

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 本連載では、ターゲット顧客と課題を徹底的に絞り込んで明確にし、その課題に対して的確な解決策を提供する「ニーズの断捨離」を提案してきた。言い換えると、「顧客が買う理由」を考え抜くということだが、そのためには顧客視点で「自社らしさ」を徹底的に考える必要がある。

 これを考えるためのフレームワークがある。次の4つを考え抜くことだ。

(1)自社ならではの強みは何か?
(2)その強みを必要とする顧客は誰か?(ターゲット顧客)
(3)その顧客は何を必要としているか?(課題)
(4)顧客が自社を選ぶためには、どうすればよいか?(解決策)

 このフレームワークの詳細については、近著『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』(KADOKAWA/中経出版)で実例を交えながら紹介しているので、興味がある方は参照いただきたい。

 このフレームワークにおけるポイントの1つは、(2)ターゲット顧客と(3)課題をいかに考えればよいか、という点である。ともすると、関係者を集めて議論を繰り返しても時間だけが経過してなかなか決まらない、ということが起こりがちだ。例えば、次のようなイメージだ。

「ターゲットの顧客か。自分の経験では、こういう顧客が多かった。だから恐らくこうだ」
「いや、こういうことがあるかもしれない」
「まったく別の視点だが、自分はこういう意見だ」
「改めて考えてみると、ターゲット顧客や課題を意外と把握していないものだな」
「それでは、中間を取ってこうしたらどうだろう?」

 いくら時間をかけてこのような議論を繰り返しても、議論が発散してしまい、なかなかよい結論にはたどり着かない。
 
●リアルな顧客データに基づき議論する

 なぜこのような事態に陥るのか。主観的に議論しているからである。特に顧客が買わなかった理由を元に議論すると陥りがちだ。

 国内業務用ミラーで市場トップシェアを誇るコミー社長の小宮山栄氏は、「日経トップリーダー」(日経BP社/09年8月号)のインタビュー記事『社員14名の世界企業コミー 信用が信用を生む、小さな市場の生存戦略』内で次のように語っている。

「売れなかった理由は、デザインが悪い、価格が高い、宣伝の仕方が悪いなど、誰でも山ほど言える。だから、たとえ1000人に声をかけて1人しか買わなくても、売れない理由をあれこれ考えるより、その1人がなぜ買ってくれたのかを深く聞く方が次につながると思う。われわれの立場から見れば、1つしか売れなくても、お客さまの立場からすれば『購入の決断』をしたのだ。そこのところを徹底的に追究していく」

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