あの面白CMは、何が「面白い」のか サントリー・ボス、日清カップヌードル…

Business Journal / 2014年12月19日 6時0分

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 CMは見る人を瞬時にして笑わせたり、泣かせたり、考えさせたりする映像エンターテインメントだ。しかも、その時どきの世相、流行、社会現象、そして人間の心理などをどこかに反映させている。いわば時代のアンテナのようなものであり、世の中を垣間見せてくれる窓であり、時には社会批評でもある。

 今回は2014年下半期に流されたCMの中から、注目作を選んでみた。そこにはどんな風景が映っているだろうか。

●インテリジェンス『DODA チャップリン編』『同 キング牧師編』

 その演説は映画『独裁者』の終盤に登場する。約3分半のワンカットだ。ファシズムの国の独裁者と間違われた床屋(チャーリー・チャップリン)が、兵士たちに向かって呼びかける。「君たちは機械ではない。家畜でもない。人間なんだ!」と。

 CMには現在の仕事と将来に迷いを抱えた青年、綾野剛が登場する。鏡に映る自分を見つめた時、チャップリンの声が聞こえてくるのだ。

「君たちには力がある。人生を自由で美しく、素晴らしい冒険に変える力が!」

 チャップリンにそこまで言われたら、綾野じゃなくても転職を決意してしまいそうだ。

『キング牧師編』も、「友よ。今こそ、夢を見よう」で始まるメッセージが強烈なインパクトで迫ってくる。姿こそ見えないが、肉声の背後にある彼らの思想と行動、つまり生き方を想起するからだ。

 閉塞の時代こそ、行動せずに悔やむより、一歩踏み出す勇気が必要なのかもしれない。「戦え! 自由のために」の声は、転職以外の岐路に立つ者の背中も押してくれる。

●サントリー食品『プレミアムボス テレビ局編』

「妙に真面目ぶった番組もあれば、ひたすらクダラナイ番組もある」

 こんな辛口批評がこのCMから聞こえてきた。うん、確かに。

「視聴率と呼ばれる尺度が重視され、評価も決まる」

 これもその通り。

「ただ、(テレビが)あるとついつい見てしまう」

 本当にそうだ。さらに、

「この惑星のテレビは、缶コーヒーとどこか似ている」

と言われて、思わずニヤリである。トミー・リー・ジョーンズ主演の『宇宙人ジョーンズ』シリーズ。今回は出入りの花屋さんに扮して、テレビの裏側を見つめている。

 出演者用のカンニングペーパー(カンペ)を書きかけのまま、長椅子で寝てしまったアシスタント・ディレクターも実にリアルでおかしい。どんな番組も、それを支えているのは人だ。出る人、つくる人の思いやエネルギーが、見る人の気持ちを動かす。

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