“ひきこもり”が犯罪を犯す…のか?精神科医・岩波明氏に聞く「ひきこもりと精神疾患」

Business Journal / 2019年8月26日 20時30分

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 2019年5月28日、神奈川県川崎市多摩区登戸で、私立カリタス小学校のスクールバスの到着を待っていた児童や保護者を次々に刃物で刺す通り魔殺傷事件が発生。2人が死亡、18人が負傷し、加害者は自ら首を刺して死亡した。加害者とされる岩崎隆一(51歳)は、生まれてまもなく両親が離婚し、伯父夫婦と共に暮らしていたが、10年以上の長期間にわたる「ひきこもり」の状態にあり、80代になる伯父夫婦とは会話どころか顔を合わせることもなかったという。犯行後、県警が岩崎の顔写真を伯父夫婦に見せて身元確認を求めたが、伯父夫婦はその写真が本人かどうかがはっきりとはわからないような反応だったとも伝えられている。

 この衝撃的な事件の報道が冷めやらぬなか、6月1日、東京都練馬区で、元農林水産省事務次官の熊澤英昭容疑者(76歳)が長男で無職の英一郎さん(44歳)を刺殺。英一郎さんは「ひきこもり」がちで、連日ゲームを行い、家庭内暴力も激しかったという。本名でSNSに書き込みを行っており、ネット上でも攻撃的な傾向が見られ、一部のネットユーザーからは「犯罪者予備軍」と呼ばれていた。事件当日は英一郎さんが「小学校の運動会がうるさい」と言いだしたため、数日前の川崎殺傷事件のことが頭をよぎった熊澤容疑者は「周囲に迷惑をかけてはいけない」と決意、犯行に及んだという。

 この2事件を機に、改めて「ひきこもり」がクローズアップされている。ひきこもり当事者への支援活動を行っている「ひきこもりUX会議」は事件後、「ひきこもっていたことと殺傷事件を起こしたことを憶測や先入観で関連付ける報道がなされていることに強い危惧を感じています」という声明を発表。同会議や「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」と面談をした根本匠・厚生労働大臣も6月、「安易に事件と『ひきこもり』の問題を結びつけることは、厳に慎むべき」との声明を出した。

 ひきこもりとは、厚生労働省の定義によれば、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」とされている。2019年3月には内閣府が、40~64歳の“中高年ひきこもり”が全国で推計61万3000人もいるとの調査結果を発表。これが、15~39歳の“若年層ひきこもり”の推計54万1000人を大きく上回っているとして、話題になったばかりだ。

 では、こうして社会的な問題になっているひきこもりをどう考えればよいのか。彼らは本当に“危険”ではないのか。精神科医で、昭和大学附属烏山病院病院長でもある岩波明氏に聞いた。

過去の重大事件の犯人に精神疾患があった可能性も

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