GSOMIA破棄、韓国内で文政権への批判が先鋭化…側近の不正隠しが目的か

Business Journal / 2019年8月27日 20時10分

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 韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄した問題で、韓国国内でも反対運動が過熱している。

 日韓でGSOMIAの署名が行われたのは2016年11月のこと。同協定の締結により、外務省は「日韓両国政府間で提供される秘密軍事情報が適切に保護され、両国政府間で更に円滑かつ迅速な情報交換が行われることが期待されます」と発表していた。

 元徴用工をめぐる問題などで日韓関係が悪化の一途をたどるなか、韓国は8月22日にGSOMIAの破棄を発表した。韓国の対応を受け、首相官邸で取材に応じた安倍晋三首相は「約束をまずは守ってもらいたいという基本的な方針は今後も変わりないし、彼らが国と国との約束を守るように求めていきたい」との意向を示した。

 24日には、ソウルで行われた野党の集会に数万人が集まり、GSOMIAの破棄について批判が集中。「北朝鮮・中国・ロシアに近づく政権に命は任せられない」などと文在寅大統領の退陣を求める声が相次いだという。すでに、保守系の朝鮮日報が「GSOMIAは我々が一方的に情報を提供するものではない。韓日両国の安全保障に役立つ協定だ」「(日本への)対抗カードに使ったのは自傷行為に等しい」などと文政権の判断を批判していたが、韓国国内でも反対運動が先鋭化してきたようだ。

 また、文政権は側近の不正疑惑でも窮地に立たされている。前民情首席秘書官で検察を所管する次期法務部長官候補に指名されたチョ・グク氏について、娘の名門大学への不正入学や奨学金不正受給、息子の兵役逃れ、不動産の偽装売買、巨額の財産隠しなどの疑惑が明るみになり、検察が大学など関係先の一斉捜索に乗り出したことが報じられたのだ。

「韓国国内では、GSOMIAの破棄よりもチョ氏の不正疑惑のほうが関心を集めているといわれています。特に国民の怒りを買っているのは、娘の大学への不正入学です。韓国は超学歴社会であることに加えて、財閥企業とその他の企業の格差が激しく、さらに今は若者の就職率が悪化しています。そのため、入学や就職に関する不正は大きな反発を招くことが必至です。

 朴槿恵前大統領を失脚させた『崔順実ゲート事件』に関しても、国民の怒りは財閥企業との贈収賄よりも崔氏の娘が名門大学に不正入学していた問題に向けられていました。そして、大規模なろうそく集会(抗議デモ)が開かれ、朴氏の罷免、逮捕につながったのです。チョ氏の疑惑も、ただでさえ窮地の文政権をさらに追い込む大スキャンダルといえるでしょう」(政治ジャーナリスト)

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