大塚家具、キャッシュフロー赤字が危険水準…お家騒動→中価格路線失敗で「高級」に逆戻り

Business Journal / 2019年9月9日 5時50分

 提携販売は苦戦するようになったが、一方で勝機もある。家電量販店最大手のヤマダ電機との連携がそのひとつだ。両社は2月に業務提携し、以降、大塚家具はヤマダ電機の店舗に家具の供給や販売員の派遣を進めてきた。7月に改装オープンした「インテリアリフォームYAMADA前橋店」(群馬県前橋市)では、大塚家具の家具や絨毯、寝装品など約900点を展示した。同店が成功すれば、連携を拡大させることで大きな収益を生み出すことができる可能性もある。だが、未知数な部分が多く、将来を計算することはできないだろう。

 コントラクト(法人向け販売)事業も厳しい状況だ。20年の東京オリンピックに向けてホテルの新規開業や改装で需要が見込めるとして、販売を強化してきた。18年12月期は特需が発生し、売上高は前年同期比60.4%増の32億円と大きく伸びた。だが、19年1~6月期は11億円にとどまっており、進捗状況は良くない。特需は18年12月期だけの一時的なものに終わっている。もっとも、19年1~6月期は前年同期比3.9%増で、悪化したわけではない。ただし、前年同期が8.2%増だったことから、伸び率は鈍化していると見ることができる。19年7~12月期も前年同期を下回る見込みで、停滞感が漂う。

高級ブランド品の販売が伸びる

 こうした周辺事業で行き詰まるようになったこともあり今後が懸念されているわけだが、やはり主力事業である大塚家具店舗での販売の不振が最大の懸念材料だろう。リストラ面では一定の成果が出ているものの、肝心の成長戦略面では成果を出せていない。

 もちろん、店舗販売の面でも対策は講じている。昨年3月から、イタリア高級家具ブランド「ポルトローナ・フラウ」を専門に扱う店舗の出店を始めたほか、今年4月には米国の高級ベッドブランド「シーリー」の商品を販売するなど、消費者の取り込みを図っている。

 こうした施策の一部では、成果も出ている。たとえば、「ポルトローナ・フラウ」の今年5月の販売数量は、前年同月比18%増と好調だったという。同月ではほかにも英国の高級ソファブランド 「アートフォーマ」が46%増、ドイツの高級ソファブランド「ロルフベンツ」が8%増と、それぞれ伸長した。4月には、スイスの高級ソファブランド「デセデ」が31%増と大きく伸びている。

 だが、これは皮肉な話だ。大塚家具は、社長の大塚久美子氏と父親で創業者の大塚勝久氏が経営権をめぐって争った“お家騒動”後、幅広い顧客層を取り込むために従来の高価格帯中心の品ぞろえを改め、中価格帯の商品も増やす改革を進めてきた。しかし、既存店売上高はマイナスが続き、不振から脱却できていない。そうしたなか、「ポルトローナ・フラウ」など高級品が好調となっていることで、価格帯を下方にシフトさせた戦略が間違っていたといわれても仕方がないのではないか。

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