日産、ついに仏ルノーの軍門に下る…ゴーンと西川は“同じ穴のムジナ”だった

Business Journal / 2019年9月11日 19時45分

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 仏フィガロ紙は<(日産自動車の)ブルータスが追いやられた>と西川廣人社長兼CEOの事実上の“解任”を辛辣に報じた。

 9月11日付朝日新聞朝刊の「天声人語」は、次のように書いた。

<おいおい、その立場に置かれて言うセリフと違うだろ。(中略)立場と発言の間に落差を感じてしまう。日産自動車の西川廣人社長である。会長だったゴーン被告が昨年逮捕された直後にこう言った。「1人に権限が集中しすぎた」「長年にわたる統治の負の側面と言わざるを得ない」。おいおい、あなたはその会長に引き立てられ、社長をしていたんじゃないか。株主総会でも一部から退陣を求められたが、「日産の将来に向けた責任を果たさなければいけない」などと突っぱねた>

<そんな西川氏に新たな問題が出現した。不当に上乗せされた報酬を受け取っていたことが判明した。報酬は日産の株価に連動しており、基準となる日を1週間ずらすだけで4700万円が増額されたという。まさにお手盛り?いや、ゴーン前会長はじめ9人の役員が同様のやり方で不正報酬を得ていたというから「グループ盛り」か。巨大の企業私物化があり、そのおこぼれである>

<結局辞任せざるを得なくなった西川氏は会見で述べた。「日産の負の部分をすべて取り除くことができずバトンタッチすることになり、大変申し訳ない」。自分が負の部分かも、とは考えもしないらしい。ずっこけたくなる>

 長々と「天声人語」を引用したのは、“日産事件”の核心を衝(つ)いており、西川廣人という人物の本質を鋭く抉り出しているからだ。

 西川自身は9月10日の取締役会で「いまの状況から『即座の辞任』をお願いした」(木村康取締役会議長=社外取締役)と、詰め腹を切られるとは、つゆほども思っていなかった。社外取締役が即時辞任へと議論を主導したのは、「このまま(西川の続投で)いったら日産はもたない」との強い危機感があったからだ。「危機的な状況だ。今すぐ結論を出すべきだ」と早期の辞任論に同調する意見が相次いだ、と伝わってくる。

 報酬不正の問題はカルロス・ゴーンと西川が同じ穴のムジナであることを示している。不正が発覚したから西川の求心力が急に低下したわけではない。もう、ギリギリのところまで来ていたのに、それを西川は自覚できなかった。経営者に一番必要な感性というか、先見性が鈍ってしまっていた。「もともとなかった」(日産の元役員)ともいう。

 ブルータスはカエサル(シーザー)を暗殺した後、ローマを追われた。最後は、フィリッピの戦いで、カエサルの養子であるオクタヴィアスらに敗れ、自殺する。日産のブルータスに経営者としての死があるとすれば、逮捕だが、どうもそれはなさそうだ。ゴーン裁判における検察(東京地検)と日産の共同歩調が崩れない限り、西川の逮捕はない、と法曹関係者は見ている。

外堀は完全に埋められていた

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