ラグビー日本代表は、なぜ31人中15人が外国人選手なのか?スポーツと国籍問題を考える

Business Journal / 2019年9月28日 15時50分

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 9月20日、今回で第9度目となるラグビーW杯が幕を開けた。今回の日本での開催が、同杯史上アジアでは初の開催となり、同日に東京スタジアム(東京都調布市)で行われた対ロシア戦に日本は30対10で勝利。9月28日は対アイルランド戦(於 小笠山総合運動公園エコパスタジアム/静岡県)、そして10月5日には対サモア戦(於 豊田スタジアム/愛知県)が控えており、多くのファンが決勝トーナメント進出を待ち望んでいる。

 ところでW杯前にも話題となったのが、日本代表選手31人のうち、15人が外国出身だったことだ。日本に帰化していない外国籍の選手も7人おり、そのことに疑問を持つ日本人はいまだに多い。日本国籍でなければ代表選手にはなれない野球やサッカーなどのスポーツと違い、ラグビーは国籍にとらわれない独自の選考基準があり、それはラグビーというスポーツのルーツと深く関係している。著書『国境を越えたスクラム ラグビー日本代表になった外国人選手たち』(中央公論新社)をこの8月に上梓したばかりのノンフィクションライター山川徹氏に話を聞いた。

国籍よりも居住地を重視

 ラグビーをよく知らない人にとってまず不思議なのが、「日本代表なのになぜ外国人選手がいるのか?」という問いではないだろうか。

 その理由は、ラグビーというスポーツが生まれた歴史にあると山川氏は語る。

「ラグビーは、19世紀初めにイングランドで誕生したスポーツです。その後、ウェールズやスコットランド、アイルランドなどにも広がっていき、パブリックスクールや大学でも盛んに行われました。当時は大英帝国が版図を拡大していた時代ですから、ラグビーを経験したエリートたちは世界各国に散らばり、生活するようになります。それにともない、彼らは赴任先でラグビーにとり組み、彼の地で普及させていった――といわれています。そのような背景があるからこそ、選手の国籍よりも、彼らが生活している国や地域の協会を重視する『所属協会主義(地域主義)』と呼ばれる考え方が生まれ、現在まで続いているとされています」

 ラグビーW杯を主催する国際競技連盟である「ワールドラグビー」(本部はアイルランドのダブリン)が規定する現状のルールでは、以下の3つの条件のうちいずれかひとつでも満たせば、自身の国籍とは異なる国の代表選手としてもプレーできる。

1.出生地がその国
2.両親、祖父母のうち1人がその国出身
3.その国で3年以上、継続して居住。または通算10年にわたり居住

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