ヤフー、孫正義氏主導の巧妙な“ZOZO乗っ取り”の様相…アマゾン超えへ強硬手段発動

Business Journal / 2019年10月4日 6時0分

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 ヤフーによるZOZOの電撃的な買収劇の主役は、ヤフーの親会社であるソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長だった。

 ZOZO創業者の前澤友作氏は経営から退き、宇宙旅行や別の新事業に専念するという。10月に社名をZホールディングスに変更するヤフーは、衣料品通販サイト運営のZOZOに対してTOB(株式公開買い付け)を実施して子会社にする。50.1%を上限に買い付け、買収額は最大4007億円。

 9月12日に行われた共同記者会見には、孫氏がゲストとして登壇。この日、社長を辞任した前澤氏とのTシャツ姿のツーショットが翌日の紙面を大きく飾った。孫氏によると、前澤氏が孫氏に「ZOZOの社長は引退して、新しい人生を過ごしたい」と相談したところ、孫氏が「ヤフーと提携してやってみるか」とヤフーの川邊健太郎社長を紹介したという。

「個人の借金で火の車となり、株を売るしかなくなった、という話が各メディアに盛んに出ているが、会社を売却しなければならないほどの額ではない。むしろ、ゾゾスーツに代表されるように、やることなすことが外れて、失敗しまくった結果、ZOZOの経営に興味を失くしたのではないか」(M&A会社のトップ)

 ZOZOは新規事業で迷走が続いた。体形ぴったりの服を提供するとしたプライベートブランド(PB)事業では、採寸専用の「ゾゾスーツ」を無料配布したものの商品購入に結びつかなかった。有料会員になると商品価格を割り引く仕組みを導入したが、「ブランド価値を損ねる」としてアパレル大手などが撤退した。

「むしろ、孫社長による『ZOZO乗っ取り』の側面が見えてしまう」(同)

 前澤氏は孫氏と2010年12月に千葉県のゴルフコースで会い、ラウンド後にソフトバンク本社で一緒に風呂に入った、というエピソードを本人が明かしている。そして2011年10月、ソフトバンクが出資する中国のアリババ集団(創業者の馬雲会長が9月10日に退き、現在は張勇最高経営責任者)と合弁で「ゾゾタウンチャイナ」をスタートさせたが、2013年1月に撤退した。

 この中国での合弁事業には前澤氏は乗り気ではなく「検討する」と答えたら、孫氏が「何を検討するんだ。お互い社長なのだから、自分で判断できるだろう」と強く迫り、前澤氏が押し切られたという経緯がある。

「あの時、孫社長は将来的な“乗っ取り”まで計算して、中国合弁を勧めたのではないかと勘繰りたくなる」(前出のM&A会社トップ)

4段重ねの「親子上場」

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