シラク元仏大統領、日本につくった“65億円の秘密口座”

Business Journal / 2019年10月9日 6時0分

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 フランスのジャック・シラク元大統領が9月26日、死去した。86歳だった。

 1932年生まれ。ジスカールデスタン、ミッテラン両大統領のもとで首相を務めた。三度目の挑戦だった95年の大統領選に当選し、2期12年、大統領を務めた。大の日本好きとして知られている。日本の古代・中世の文学や美術の博識ぶりに専門家も舌を巻いた。来日時には桃山時代の屏風の由来について一席ぶつなど、逸話に事欠かない。来日するとしばしば大相撲を観戦、「フランス共和国大統領杯」を贈った。ドゴール大統領の系譜を引く保守本流。政略にたけ、カネをめぐる噂は絶えなかったという。

 日本では旧東京相和銀行の社長・会長を務めた長田庄一との交流は広く知られている。東京相和は「銀座・赤坂の“お水”のメインバンク」といわれ、水商売向け営業では圧倒的な強みを発揮した。バブル期には不動産業やマチ金・サラ金向けの融資を拡大し、不良債権の山を築いた。99年に経営破綻。2001年に米投資ファンド、ローンスターが設立した東京スター銀行に営業譲渡した。破綻処理には8000億円の公的資金が使われ、東京相和は消滅した。

 東京相和が破綻して1年後の00年、長田庄一ら旧経営陣6人は不正増資の容疑で逮捕された。東京地裁は03年、長田に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。東京高裁への控訴を取り下げ、一審判決が確定した。

 金融整理管財人が長田を相手取り、見せ金相当分の返還を求めた訴訟で、東京高裁は06年、請求額のほぼ全額の189億円の支払いを命じた。関連会社3社に迂回融資し、融資分をそのまま新株払い込み資金として振り込ませ、増資が完了したかのように見せかけたもの。虚偽の登記の罪に問われた。これによって長田は破産。東京・目黒区柿の木坂の豪邸は、破産管財人の管理下に置かれ、08年、売却されたと報じられた。

 政商、怪物、異端児。戦後の混乱期に徒手空拳でのし上がってきた長田を、金融業界の本流を歩いてきたバンカーたちは、こう呼んだ。

 その後、東京スター銀行は生々流転の運命をたどる。05年10月、東証1部に上場した(東京相和からみれば再上場)。国内の投資ファンド、アドバンテッジパートナーズ(AP)がTOB(株式公開買い付け)で発行済み株式の約68%を1700億円で取得。だが、08年7月に突然、上場廃止となった。上場してからわずか2年9カ月で上場を取り止めたわけだ。東京スター銀行はファンドの都合で上場され、別のファンドの都合で、また上場廃止となった。

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