中国、人類初の月の裏側への着陸に成功…無人月面探査で世界をリード

Business Journal / 2019年10月14日 8時0分

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 2019年は、次々に月に探査機が投入される年となりました。

 まず、中国の月探査機「嫦娥(じょうが)4号」が人類史上初めて月の裏側への着陸に成功し、搭載していた6輪式無人月面探査車「玉兔(ぎょくと)2号」を発進させることに成功しました。嫦娥と玉兎には生物生育装置や月面資源探査に必要な機材が多く搭載され、現在も月探査を続けています。

 次に、イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ社の探査機「ベレシート」が19年2月に打ち上げられました。月の地球に向いた面、北緯28度、東経18度を中心に広がる「晴れの海」と呼ばれる黒い地表に着陸し、高解像度カメラによる撮影や磁場の調査、地球との距離の精密測定などを行う予定でしたが、月面への降下時に上空15キロメートル付近でトラブルが発生し、月への到達はかないませんでした。成功していれば、旧ソ連、アメリカ、中国に次ぐ4カ国目の月への軟着陸、なおかつ民間企業初の快挙となるはずでした。

 ベレシートのプロジェクトは、月へ向かう軌道を特殊な楕円軌道とすることで人工衛星と同じ方法での安価な打ち上げを実現し、プロジェクト費用はわずか1億ドルという、画期的にローコストな月探査を実現する第一歩にもなり得るものだっただけに、非常に残念です。

 さらに続いて、19年3カ国目の挑戦者インドは7月にチャンドラヤーン2号を月に向かわせました。これはインド宇宙研究機関による国家ミッションで、人類初の月南極域への軟着陸計画でした。月の南極には水の氷が大量に存在すると考えられており、将来、人類が月の有人開発を行う拠点としてふさわしい地域と考えられています。

 チャンドラヤーン2号は月上空を周回しながら着陸機「ビクラム」を分離しましたが、インドはビクラムの信号が着陸直前に途絶したことを発表しました。着陸機が月面の上空約2.1キロに達したところで、地球への信号が送られてこなくなったということです。ビクラムは太陽電池で走行する小型探査車プラギャンを搭載しており、月の水の分布などを調査することになっていました。一方で、ビクラムを放出した周回機チャンドラヤーン2号は健在で、今後1年間、月の上空から探査を行います。

 科学技術には国際的に高い評価のあるイスラエルとインドが相次いで月軟着陸に失敗したことから、無人探査機による月面着陸の難易度の高さがあらためて浮き彫りになり、今後は50年前に行われた有人着陸・有人探査が有望な月探査方法と考えられるようになるものと思われます。

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