ホームレス受け入れ拒否で表面化…避難所、出張者・旅行者・ネカフェ難民は入れない?

Business Journal / 2019年10月15日 16時43分

 『住民じゃないと利用できない』などは言語道断ですし、どんな状況でも『いのち』に優劣はつけられません。避難にきた人を追い返して、その人が避難できずに被害をうけたらどうするのでしょうか。困難な状況にある人を支援しない公的機関などあっていいものなのでしょうか」

帰宅困難者515万人

 東日本大震災時、東京都内の鉄道の運休や停電などの影響で発生した帰宅困難者は約515万人。交通渋滞などで完全に都市機能はマヒした。その教訓をもとに、都は2012年3月「東京都帰宅困難者対策条例」を制定。都内勤務の帰宅困難者のために、各事業所に対して従業員が待機するための食糧の備蓄や、一斉帰宅に伴う混乱を防ぐための「帰宅ルール」を定めることを求めた。

 ここで定義されている帰宅困難者は「明確に帰る場所」があり、都内の事業者で雇用されている「従業員」であることを想定している。では、それにあたらない旅行者や出張中の人、そしてホームレスや住所・勤務先が不定のネットカフェ難民などはどうすればいいのか。

 東京都総務局総合防災部防災管理課の担当者は次のように話す。

「東京都ではいわゆる行き場のない人が緊急避難できる『一時滞在場所』として都内各所の都立高や東京国際フォーラムなどの公共施設など計221カ所を準備しています。それらの場所は、都民であるか否かや住所の有無とかに限らず、誰でも避難可能です。広義の意味では、今回、利用を拒否されたホームレスやネットカフェなどで日雇い仕事をされている方々の利用も可能です」

 ただ実施面では課題も残る。例えば駅や町中の防災無線などで的確な誘導がなされるとは限らず、基本的には自分でウェブページを調べて一時待機場所の開設を確認して行くことになる。震災や熊本地震、西日本豪雨など、これまでの大規模災害時にはネット回線や電話回線の輻輳が起こった。いざ、逃げようという時にスマホが使えないことは想定の範囲内として考えるべきだろう。スムーズに避難をするためには、あらかじめ「何かあった際にどこに逃げるか」を前もって知っておく必要がある。

「報道で、世田谷区では多摩川河川敷の路上生活者を避難所に誘導したという話もありました。ただ、避難所の運営は市区町村が原則として担いますが、実務面では自治会や住民自身による運営の側面が強いです。それぞれの避難所ごとに判断やルールが違うというのが実情だと思います」(前出の都担当者)

大槌町のトムとジェリー

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