いきなりステーキ、赤字転落で一斉大量閉店…価格乱高下で客が“得体の知れない不安”

Business Journal / 2019年11月28日 6時0分

 こうした自社競合が一因で業績が悪化したとしているが、自社競合は副次的な要因にすぎない。

 これはコンビニエンスストアの出店のあり方を考えればわかる。コンビニは地域を絞って集中的に出店する「ドミナント出店」によって成長を果たしてきた。コンビニがドミナント出店をするのは、認知度が高まりやすいほか、配送効率が上がるといったメリットがあるためだ。一方で、もちろん自社競合が起きやすいというデメリットもある。ただ、十分な需要があれば、メリットのほうが大きい。そのため、コンビニは自社競合を厭わずにドミナント出店を行い、競争力を高めることに成功し、大きな成長を果たすことができたというわけだ。

 これは「いきなり!ステーキ」にも、ある程度あてはまる。店に競争力があれば、自社競合はそれほど大きな問題にはならない。では何が大きな問題になっているのか。特に大きいのが、「価格設定」だろう。「いきなり!ステーキ」は価格設定において2つの問題を抱えており、それにより競争力が下がったと考えられる。では、その2つの問題とは何か。

 ひとつは価格の高さだ。「いきなり!ステーキ」は頻繁に価格改定を実施し、価格帯を引き上げてきた。たとえば、看板商品の「リブロースステーキ」は、開業時は1グラム当たり 5円だったが、その後、段階的に値上げを実施して価格を大きく引き上げている。17年7月には6.5円から7.3円に値上げした。これで開業時から2.3円高くなったわけだが、オーソドックスな 300グラムであれば690円も高くなったことになる。300グラムで2190円となるわけだが、割高な印象が否めない。

 もっとも、まれには値下げも行っている。たとえば17年10月には「リブロースステーキ」を1グラム当たり7.3円から6.9円に引き下げた。今年11月12日には「CABサーロイ ンステーキ」を同8.2円から7.5円に値下げしている。

 このように値下げも実施しているが、全体的には値上げのインパクトのほうが大きい。こうして高くなった「いきなり!ステーキ」は敬遠されるようになった。

価格改定繰り返し価格帯が不明瞭に

 値上げと値下げを繰り返して価格帯が把握しづらくなっていることも問題となってい る。これが価格設定に関する2つ目の問題だ。

 価格が頻繁に上下してしまうと、消費者は「いきなり!ステーキ」の価格帯を把握することが難しくなる。さらに、グラム単位での量り売りを採用していることも把握のしづらさに拍車をかけている。「リブロースステーキ」を300グラム注文していくらになるのかを瞬時に導きだせる人は極めてまれだろう。これは消費者に得体の知れない印象を与えるという意味で大きな問題といえる。

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