いきなりステーキ、赤字転落で一斉大量閉店…価格乱高下で客が“得体の知れない不安”

Business Journal / 2019年11月28日 6時0分

 人は得体の知れないものに不安を感じ敬遠する。そのため、得体の知れない店だと消費者に認識されてしまうと、集客は難しくなる。スナックなどの飲み屋で「明朗会計」とうたう店舗があるのは、消費者に不安を与えずに集客したいためだ。100円ショップがこれだけ大きく成長できたのも、「どれも100円」というわかりやすい価格設定で消費者に不安を与えないことが大きい。消費者は安心して買い物ができるのだ。

 リゾート運営大手の星野リゾートが展開する、主に若者をターゲットにしたホテル「BEB(ベブ)」が、35歳以下のみの宿泊であれば1部屋の料金が固定となる制度を採用しているのも、同様の理由だ。日によって料金を変えるホテルが少なくないが、BEBは固定料金制を採用することで、消費者の不安の解消に努めているのだ。同社の星野佳路代表は固定料金制を採用した理由について、19年4月16日付日経ビジネスのインタビューで「価格変動のわかりにくさが宿泊需要を落としているのではないかと考えた」と述べている。

 価格が頻繁に上下すると、消費者に不安を与えてしまい敬遠されるリスクが生じてしまう。これは 「いきなり!ステーキ」でも起こり得る話で、実際にそれが起きてしまっている。それに加えて価格が高い印象が根付いてしまっており、こうしたことが客離れにつながり、競争力の低下につながったと考えられる。

「いきなり!ステーキ」の失速において、「自社競合」は副次的なものにすぎない。それよりも価格設定の問題を解決して消費者の不安を解消し、競争力を高めることが必要だろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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