北朝鮮内部で政変勃発か…金正恩の致命的なミス、金与正が韓国批判連発の裏事情

Business Journal / 2020年7月9日 16時40分

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 北朝鮮は金正恩朝鮮労働党委員長の妹である金与正朝鮮労働党第1副部長が前面に出て、韓国の文在寅政権批判を繰り返している。南北統一を掲げる文政権は平壌側の怒りを買い、韓半島情勢は先行き不透明な状況が続く。

 前編に引き続き、金委員長の狙いや韓国の命運について、元駐日韓国大使館公使で「統一日報」論説主幹の洪熒(ホン・ヒョン)氏に聞いた。

北朝鮮内で政変か…金与正が目立ち始めた意味

――金委員長の健康不安説も一時ありましたが、金正恩体制の内部で何が起きているのでしょうか。

洪熒氏(以下、洪) 2019年2月のベトナム・ハノイでの米朝首脳会談後、平壌で政変が起きたと見るべきです。帰国した金正恩は「首領を絶対化するな」など自己反省し、「誤謬のない神」の地位から降りてきました。金与正も政治局候補委員の肩書を返上しました。また、「ハノイに行けば、トランプから大きなものを勝ち取れます」と報告をした統一戦線部の幹部なども粛清されます。

 19年6月に中国の習近平国家主席は国賓として平壌を訪問、金正恩体制を正式に認めました。ところが、習近平の帰国直後、金正恩はドナルド・トランプ大統領に呼ばれて「板門店会談」に行きますが、そこでも何も成果がなかったのです。

 そこで、金正恩は、米国に19年末までに自分の要求をのまないと「我々の道を行く」と、繰り返し表明します。そして、19年末の党中央委員会拡大会議で、金正日時代からの元老級や要職の高位級などを退陣させ、外交とは無縁の李善権が外相に就任しました。

 まず、北の最高幹部クラスの人事を担当する党幹部部長が解任され、組織指導部長など要職の多くが解任されました。さらに看過できないのは、「金氏王朝」を支えてきた親衛隊と言える護衛司令部や国家安全保衛部まで、血の粛清が行われたことです。政変を想定しないと、理解できない事態があったのです。

――その引き金となったのが、金委員長の対米交渉失敗ということですね。

洪 若い独裁者の未熟さが出ましたね。そもそも、最高指導者は戦争を指揮すべきで、戦闘を指揮すべきでない。なのに、妻や妹、側近たちを連れて自ら最前線に現れました。「非核化問題」において、中国の影響力を排除するトランプ大統領の戦略に乗ったのです。自信過剰だったのでしょうか。

――最近になり、与正氏の存在感が明らかに増しています。

洪 金与正の浮上は、金正恩の健康不安が主な背景でしょう。ただ、金与正の前面登場が金正恩の意思によるものか、ほかの力によるものかを見極める必要があります。金正恩は妻との仲が悪化しているとの情報もあり、いずれにせよ、今の状況では金与正が看板役ということになります。

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