名古屋に奇跡のカフェ!遠方から客殺到の秘密 絶品ナポリタンと洋菓子の物語

Business Journal / 2015年10月19日 6時0分

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 10月1日は「コーヒーの日」だったが、日本国内にコーヒーを提供するカフェの数はどのぐらいあるかご存じだろうか。

 正解は約7万店――。調査資料では、1981年の15万4630店(総務省統計局「事業所統計調査報告書」より)をピークに減少し続け、最新の2012年の数字は7万454店となっている(同局「平成24年経済センサス―活動調査」より)。

 数字だけ見ると半減しているが、全国に5万3208店(15年8月現在。一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会=JFAの加盟店数)もあるコンビニエンスストアなど、コーヒーを提供する店は多岐にわたり、個性的なカフェも増えている。

 たとえば9月26日に放送終了したNHK連続テレビ小説『まれ』は、主人公が世界一のパティシエを目指し奮闘するストーリーだったが、パティシエが店の人気を支えるカフェもある。「小学生女子がなりたい職業」調査でも毎回上位に顔を出す人気職業だ。

 そこで今回は、家業を継いだ女性がシェフ・パティシエールとして店を飛躍させた、創業50年を超えるカフェの人気を分析してみたい。

●「喫茶店の娘」が一念発起して渡仏し、パティシエールに

「カフェタナカ」という店が愛知・名古屋市北区上飯田にある。場所は地下鉄・上飯田駅から徒歩5分ほど、周辺は住宅地だが高級住宅街ではなく庶民的な場所だ。

 創業は1963年で、画廊に勤めていた現社長の田中寿夫氏が同市千種区で開業し、数年後に現在地に移った。「当時、周辺は田んぼだらけ。周囲からは『こんな場所で喫茶店をやるのか』と笑われました」(田中氏)。

 だが、サイフォンやネルドリップで淹れるコーヒーにこだわり、絵画も楽しめる「コーヒータナカ」(当時の店名)は、周辺が宅地化する以上に発展していった。

 その成功要因のひとつが独自性だ。試行錯誤して開発した自家焙煎コーヒーが喫茶好きの名古屋人に支持された。低価格競争も行わず、ご当地名物でコーヒー1杯の値段でトーストやゆで卵がつく「モーニングサービス」も一切取り入れたことがない。その代わりに、出勤前のお客に向けて朝の7時から営業するのがコーヒータナカのモーニングサービスだったという。

 コーヒータナカとしての最盛期には、座席数が約60席の店に1日に600~700人のお客が来店した。直営店も7店に拡げたほどだった。

 田中氏には2人の娘がいる。長女の千尋氏と次女の千寿氏だ。2人とも高校生になると、早朝から店の手伝いをした後に登校した。ただし当時の田中氏は「2人とも女の子なので、いつかはお嫁に行く。この店は私一代で終りだろう」と思っていたという。

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