だから事業はいつも失敗する!SWOT分析、消費者アンケート…無意味な手法ばかり?

Business Journal / 2015年10月22日 6時0分

写真

 いい新規事業のアイデアを考えようと、企業内の会議や企業外でのセミナーなどでさまざまな創造的手法が試みられている。

 2014年11月6日付本連載記事『はやりの企業内新規事業開発PJは、なぜ失敗するのか?冒すべき3つのタブー』において、新規事業ができない方法として、新規事業ができるメソッド、「何かいい新しいビジネス」を探すブレスト、プレゼンコンテスト(ビジネスではなくプレゼンのうまさを競ってしまっているコンテスト)の3つを挙げた。

 こうした仕組みに加えて、今回は実際にチームを組成して打ち合わせるときに、よく取られる方法だが、いい新規事業のアイデアが出ない方法を挙げる。

●バリューチェーンマップ・業界地図

 原材料の生産から、製造、流通、消費者への販売までのバリューチェーンマップをまず書いて、そこから新規事業のアイデアを得ようとすることがある。これは、既存の自分たちの事業を、その事業を知らない人に説明するのには有効だ。しかし、いくら既存事業の業界地図を眺めていても、新しい事業分野を見つけることはできない。

 旧大陸の地図をいくら眺めても、新大陸を発見できないのと同じだ。新規事業は、その現状の地図の外にある。また、調べれば調べるほどわかることも多いので、はまりだすと地図をどんどん精緻に描くことばかりに精力を使ってしまい、知識は増えてもアイデアは細ってしまう。一般的に、現状認識を深めると現状肯定につながり、変革を抑えてしまう。

●分野別成長率

 官庁や調査会社が出している分野別の成長率を用い、その成長率の高いいくつかの分野を特定する。そして、その分野の中で成功している商品や企業を10~30社くらい選び出す。そのうち、自分たちが手掛けられる事業は何かと考える。一部のコンサルタントが新規事業開発をサポートするときに取りがちなアプローチだ。

 人によってはロジカルなアプローチに見えるらしいが、実際にこの方法でうまくいった新規事業は聞いたことがない。これは、先進国に追いつけ追い越せのキャッチアップ型の新興国経済での成長戦略である。日本でいうと、戦後すぐの傾斜生産方式は、このアプローチだ。しかし現代の日本のように、先頭集団にいて自分より先を走る人がいない経済では、何が成長産業か正確な予測ができず機能しない。

 そもそも、まだ世の中に存在しない新しい分野の成長率など正確にわかるはずがない。さらに、世の中すべての人がそのデータを見ているとすると、競争優位を築きにくい。役所やメディアが騒ぎ出したときには、もう遅いのだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング