串カツ田中、ショックを超える業績悪化…赤字額が全売上の3割、捨て身の「全品百円」
Business Journal / 2020年7月31日 6時0分

日本フードサービス協会がまとめた6月の外食売上高(全店ベース)は、前年同月比21.9%減と4カ月連続で前年を下回った。6月は飲食店の営業時間制限が撤廃されたため、5月(32.2%減)から減少率は縮小した。だが、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、飲酒業態は引き続き厳しい。パブ・居酒屋業態は60.1%減だった。法人需要が低迷しているほか、繁華街立地の店舗での客足の戻りが鈍かった。5月(90.0%減)からはやや減少率を縮めたとはいえ、前年実績を大きく下回った。
緊急事態宣言解除後の家族需要に支えられ、ハンバーガーなどの洋風ファーストフード(3.9%減)、持ち帰り米飯 回転寿司(6.9%減)と回復傾向にあるのと、飲酒業態は明暗を分けている。
3~5月期は3億4000万円の最終赤字串カツ田中ホールディングス(HD)の20年3~5月期の売上高は前年同期比46.4%減の13億4500万円、営業損益は3億9200万円の赤字(前年同期は1億5400万円の黒字)、最終損益は3億6500万円の赤字(同1億9500万円の黒字)に転落した。売上高営業利益率は前年同期の6.1%から-29.1%に急激に悪化。営業赤字の額が売上の3割に相当するという、ショックのレベルを超える業績の落ち込みぶりだった。
新型コロナウイルス感染対策として、4月4日から4月12日まで直営店ほぼ全店で臨時休業。4月13日からも繁華街の直営店41店は引き続き休業した。
一方で、直営店73店は持ち帰り商品を強化。通常の営業時でも販売していた串カツのテイクアウトのほか、弁当、たこ焼きやセットメニューなど食事に特化した品揃えにした。5月6日からほぼすべての直営店・FC店で時短営業を再開。店舗の休業や時間短縮を実施したことで来店客が大幅に減少。既存店売上高を見てみると、1月、2月は前年同月を上回っていたが、3月は22.6%減。臨時休業の影響を受けた4月は60.6%減と激減した。時短営業を再開した5月は40.0%減、6月28.1%減と前年割れが続いている。
直営店の売上高に占めるテイクアウトの割合は5月が45%、6月が18%を占めた。テイクアウトで窮地をしのいだが、アルコールを伴わないと売上は伸びない。
コロナの直撃を受け2020年11月期第2四半期(19年12月~20年5月)の連結決算は、売上高が前期比9.0%減の42億円にとどまった。従来予想は58億円だった。営業損益は1億700万円の赤字(前年同期は3億300万円の黒字)。従来予想は3億2000万円の黒字だ。人員の採用にかかる経費と広告費は抑えたが、人件費は減らせなかった。
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