人気の空間除菌製品、コロナ予防には無意味か…二酸化塩素が人体に害の懸念も

Business Journal / 2020年9月2日 5時0分

 ちなみに、第一次世界大戦で毒ガス兵器として使われた塩素ガスの半数致死濃度は146ppmです。つまり、二酸化塩素は、塩素ガスよりも4倍以上も毒性が強いのです。

 本文冒頭の空間除菌製品の場合、それから揮発する二酸化塩素は、前述のように0.01ppm程度ですが、毎日人間がそれを吸い込んだ場合、害が現れることはないのか心配されます。とくに化学物質過敏症の人の場合、原因となる化学物質がppmレベル以下でも発症するので、要注意です。

 そもそも家庭の室内でこうした空間除菌製品を使用すると、人間の免疫力が低下してしまう可能性があります。私たちの周辺にはウイルスや細菌、カビなどが浮遊していますが、これらはほとんど無害です。したがって、空間除菌製品で除去する必要はありません。そのウイルスや細菌の刺激を受けることによって、体の免疫力が維持されている面があります。

 そのため、空間除菌製品によってやたらとウイルスや細菌を除去してしまうと、刺激がなくなって免疫力が低下してしまうと考えられます。その結果、病原性のウイルスや細菌に感染しやすくなってしまう心配があるのです。

 新型コロナウイルスの対策で最も重要なことは、外出した際に感染しないように心がけることです。すなわちマスクをする、駅やスーパー、コンビニなどのトイレで小まめに手を洗ったりうがいをしたり、手指の消毒をする、「三密」を避ける。そして、家に帰ってきた際には、すぐに手洗いをし、うがいを十分に行う。

 それから家族がいる場合は、窓を開けたり、換気扇を回すなどして、換気を行うことが必要です。わざわざ1つ1000円以上もする空間除菌製品を買う必要はないのです。

(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

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