中国、尖閣諸島を事実上支配…「敵基地攻撃能力」の保有、日本の安全保障に不可欠

Business Journal / 2020年9月5日 19時0分

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 中国人民解放軍が8月26日、内陸の青海省と沿岸の浙江省のミサイル基地から南シナ海に向けて、4発の弾道ミサイルを発射した。

 中国共産党の軍隊である人民解放軍は、5つの「戦区」に分かれている。そのうち、浙江省は東部戦区、青海省は西部戦区に属している。南シナ海・東シナ海侵略自体は、広東省広州市に司令部がある南部戦区が主に受け持っている。

 したがって、このミサイル攻撃は戦区をまたいで総合的に攻撃を仕掛けたものになる。対中南シナ海防衛にとって、この弾道ミサイル発射の意味は重要である。

 浙江省から発射された「DF21D」は、“空母キラー”と呼ばれる射程500キロの対艦弾道ミサイルで、地上のミサイル基地から戦艦を攻撃するミサイルである。一方、青海省から発射された「DF26」は別名“グアムキラー”と呼ばれる射程4000キロの中距離弾道ミサイルである。これは主にグアムにある米軍基地を狙い撃ちするために配備されていると考えられている。

 つまり、この示威的なミサイル発射は、南シナ海にいる米軍艦隊を浙江省から狙い撃ちすると同時に、青海省からの中距離ミサイルでグアム基地を破壊して、南シナ海の空母打撃軍を不能に陥らせるということを示唆している。わざわざ内陸の青海省から弾道ミサイルを撃っていることに、人民解放軍の不気味な覚悟を感じてしまう。

 グアムキラーについては、レーダーに映りにくいステルス性がある上に、短時間で発射されるためにアメリカ軍側に有効な対抗策がないといわれている。中国の人工島がある南シナ海のほか、台湾や尖閣諸島において、ミサイル攻撃に関しては人民解放軍が米軍より圧倒的に有利に展開していると考えざるを得ない。

尖閣諸島も風前の灯

 尖閣諸島周辺に中国の漁船が侵入するのは、かつては月に数回程度だったが、船が大型化して高波でも侵入できるようになると頻度が増えて、今や火器を備える中国海警局(日本の海上保安庁にあたる)の船が毎日、侵入している状態である。

 現状は「日本の領海に中国船が侵入している」ではなく、「中国の制海域に日本の領土がある状態」に近いだろう。

 しかも、中国海警局は2018年に、国務院(日本の内閣にあたる)から人民解放軍の下部組織へと配置換えされている。つまり、対外的には海警局のままであるが、実質的には軍の船であると考えなければならない。

 現在は中国の海警局と日本の海上保安庁が対立しているが、あたかも小型戦艦と巡視船がにらみ合うような非対称な対立である。もちろん、日本の海上保安庁側が圧倒的に不利だ。

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