“技術屋集団”ホンダは、なぜGMと「車の命=エンジン」共通化するまでに陥ったのか

Business Journal / 2020年9月15日 6時0分

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 本田技研工業(ホンダ)がこれまでの孤高主義を変えて、米ゼネラル・モーターズ(GM)と北米の四輪事業の戦略提携(アライアンス)を進めると発表した。ホンダとGMはガソリン車のエンジンと車体(プラットフォーム)の共通化を検討する。それによって、ホンダは最重要市場である北米市場でのコスト削減と利益率の向上を図ることを目指す。ただ、現時点ではさらに進んだ資本提携は行わないという。

 現在、ホンダもGMも業績は厳しい。両社は生き残りのために今回の戦略提携に至った。ホンダは北米事業のコストを削減し、研究開発の強化などにつなげたいと考えているはずだ。小型車やEV(電気自動車)の開発を進めなければならないGMにとって、ホンダの技術を活用することは目先の収益確保に重要だ。

 ホンダは中国のCATLなど他の企業ともアライアンスを進めている。見方を変えれば、創業以来、自主性と独立性を重視してきたホンダは、大きな変化の局面を迎えた。同社にとってアライアンスを強化することの重要性は追加的に高まるだろう。それを進めつつ、経営陣が組織全体の士気をどのように高め、競争力の発揮につなげることができるかに注目が集まる。

環境激変の中で生き残るためGMとの戦略提携

 ホンダが米GMと戦略提携を発表した大きな理由は、新型コロナウイルスの感染の影響によって米国の自動車需要が低迷し、業績がかなり厳しいからだ。4~6月期のホンダとGMの決算をみると、両社ともに売り上げが減少し、最終赤字に陥った。2021年3月期の純利益について、ホンダは前期比64%減の1,650億円になるとの見通しを示した。また、GMはコロナショックの影響がかなり深刻であり、抜本的かつ恒久的なコストの削減を迅速に進めなければならないとの危機感を表明した。

 現在の世界の新車販売市場の動向を俯瞰すると、中国を除いて需要の回復は鈍い。8月のホンダの中国販売実績は、前年同月比19.7%増の14.9万台だった。ただ、中国の新車販売市場の回復は販売補助金の延長などによって支えられている側面がある。需要回復の持続性は不透明だ。中国市場だけを頼りにホンダが収益改善を目指すことは難しい。

 ホンダにとって、北米市場は四輪事業の売り上げの6割程度を占める最重要市場だ。8月、中国市場と対照的にホンダの米新車販売台数は同22%減だった。当面の収益体制を立て直すために、稼ぎ頭である米国事業の効率性を高めることは喫緊の課題だ。そのために、ホンダはGMとの戦略提携を行い、両社が北米市場で販売する自動車に関して、プラットフォームやエンジンの共有を行い、コスト削減を目指す。

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