10億円の遺産をめぐって骨肉の争い…愛人のベトナム人の息子や内縁の妻に意外な配分

Business Journal / 2020年9月24日 5時20分

写真

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな本の書き出しは「ひろい うみの どこかに、社長の きょうだいたちが、たのしく くらしてた。みんな あかいのに、1社だけは からすがいよりも まっくろ」です。

 相続税は、数年前の基礎控除の減額によって申告の対象者が増加しました。相続税といえば、お金持ちの税金というイメージがありましたが、都内に家を持っていれば、すぐに基礎控除を超えてしまいます。中所得者も対象となったことで、より身近な税目となりました。

 相続は「その99.9%が“争続”となる」といわわるように、争いの元であると考えられています。アメリカの人気テレビドラマ『フルハウス』のように、仲の良かった家族が財産の分割割合で揉めて関係を悪くしたと聞いても驚きません。

 みんな、なんの苦労もなしに大金が得られるとわかれば、自分は少しでも多く得たい、そして他者に得をさせたくないと思うものなのかもしれません。

父親の愛人と愛人の子と内縁の妻と自分

 僕の知人に、父親が亡くなって10億円ほどの財産を相続することになった人がいました。彼以外にも相続人がいて、それが仲の良い家族どころか赤の他人だったので、大きな悶着となりました。

 父は、ある地方都市で電子機器の卸を行っていました。彼自身も、専務取締役として父親を支え、会社の発展に寄与していたと思います。

 彼が幼い頃に両親は離婚しており、母はいませんでした。父は自宅以外にいくつか家があり、曜日によって帰る家を変えていたようです。

 大往生で父が亡くなってすぐ、弁護士から遺言書を見せられました。そこには、彼と弟、そして、フィリピンパブで知り合ったベトナム人との間にできた子に相続させる旨が書いてありました。

 どうして、彼が父と共に繁栄させた会社を源泉とする父の財産を、愛人との子に分けなければいけないのか理解ができませんでした。しかし、遺言書がなくとも、非嫡出子も嫡出子と同等の相続割合になると弁護士から聞くと、父はすべてをわかった上で、遺言書に書いたのだと気づきました。彼が憤慨すること、弁護士から説明があること、自らの民法の認識について彼が疑問を抱くことも、想定していたのでしょう。

 少し残念なのは、父の内縁の妻に対する記述が一切なかったことです。内縁の妻なので、法定相続分はありません。彼が成人して独立してからは、父を私生活面で支えたのは彼女です。彼も何度か食事を共にしましたが、父にはもったいないくらいの善人でした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング