無敵の藤井聡太が5連敗…なぜ豊島将之にだけは勝てないのか?高度な作戦家「キュン」

Business Journal / 2020年9月24日 5時55分

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 並みいるトップ級棋士たちをほぼ撃ち落としたと思われた「史上最年少二冠」の高校生棋士、藤井聡太(18)が、まだ落とせない相手がいる。否、落とせないどころか今のところ「やられっぱなし」なのだ。

 その相手は豊島将之竜王(30)である。藤井と同じ愛知県出身で生まれは一宮市だ。しかし藤井が初タイトル(棋聖)を取った時、師匠の杉本昌隆八段が「私の師(板谷進九段)の悲願だった『東海地方にタイトルを』を聡太が実現してくれた」と盛んに言っていた。一足早くタイトルを取っていた豊島は5歳で大阪府豊中市に移っているため、「東海の棋士」とは言いにくいためだ。

 豊島は16歳でプロ入りし、関西大学を中退した。師匠は現役最年長の棋士で関西を拠点にする桐山清澄九段(72)である。タイトル歴4期の桐山は、中原誠十六世名人、米長邦夫永世棋聖らとしのぎを削った名棋士だ。

「キュン」という愛称で女性人気も非常に高い豊島。端正で知性的な風貌は若い頃の中原を思い出す。2018年に王位、そして昨年、福岡市での名人戦七番勝負第4局では、三連覇を狙った佐藤天彦名人をストレートで下して名人になった。さらに暮れには竜王を広瀬章人から奪っている。一時期は三冠だったが二冠を失い、現在は竜王一冠だ。

豊島竜王の強さの秘密

 この豊島竜王が9月12日、東京渋谷区で「将棋日本シリーズJTプロ公式戦」の準々決勝に登場し、藤井二冠と当たった。JT杯はタイトル保持者と賞金ランク上位者12人によるトーナメント。優勝賞金は500万円、準優勝は150万円。例年はファンのため国を転戦する公開の対局だが、今年は残念ながら新型コロナウイルス感染防止のため、11月の決勝まで無観客となる。

「藤井vs.豊島」の最初の対局は2017年 藤井はまだプロ2年目の四段で、豊島はすでに八段だった。今回の対局は昨年10月の王将戦挑戦者決定リーグ以来で、ここまで藤井の0勝4敗だ。JT杯は持ち時間が1時間、使い切れば一手1分を各自5回。その後は一手30秒という極端な早指し将棋である。対局前、藤井は「強敵ですけど、勢いよく指していい将棋をお見せできれば」と語っていた。勝負は豊島の横歩取り戦法からの激しい攻め合いとなった。藤井も言葉通り勢いよく攻め込んだが及ばず、豊島が接戦を制した。

 決して藤井が早指しに弱いわけではない。むしろ強い。しかし最近は2日制の王位戦など、持ち時間の長いタイトル戦などが多く、早指しの勘がやや戻らなかったかもしれない。

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