乾汽船を異常なほど執拗に攻撃する“正体不明の投資ファンド”…狙われる不動産リッチ企業

Business Journal / 2020年10月30日 6時0分

 バッファローといえば、創業の地・名古屋を中心に名経営者として尊敬を集めた故牧誠氏が創業した通信機器大手で、足下ではコロナ禍の在宅ワークによる特需もあり、業績は好調。バッファローは、ソニーグループのソニー・インタラクティブエンタテインメントとも協業して新商品を発表するなど、牧氏の表向きのビジネスは好調だ。

 そのメルコHDの牧寛之社長の資産管理会社、マキスは、乾汽船に徹底攻撃を仕掛けるアルファレオHDの代表社員として登記されており、マキスに所属する渡邊章行氏が職務執行者となっている。渡邊氏は牧誠氏の代からメルコHDに仕えていた古参社員だ。

 アルファレオHDの実質支配者である牧寛之氏は、創業者の牧誠氏の次男だ。京都大学経済学部を03年に卒業。在学中から金融に興味を持ち、創業家の資産運用を行うヘッジファンドをシンガポールを拠点に立ち上げ、その運営を行ってきた。その後、11年にはメルコHDの取締役、14年には社長に就任。18年にはバッファロー社長に就任。18年4月に牧誠氏が他界したのを機に、経営の実権を完全に握るようになる。

アクティビストに変貌

 すると牧誠氏の時代から乾汽船に投資してきた資産管理会社も、これまで純投資のスタンスから突然アクティビストに豹変する。18年6月には、乾汽船の定時株主総会で自社株買いの株主提案を行い、19年2月には帳簿の閲覧・謄写請求を行うなど存在感を示し始めた。その後も乾汽船株式をどんどん市場で買い漁り、筆頭株主に躍り出た。

 これに対して、乾汽船の経営陣は19年6月の定時株主総会で買収防衛策を提案、出席株主の過半数の賛成を得て承認された。その買収防衛策とは、30%以上の株式を取得した大規模買付行為を対象に、最長60日間を期限に情報提供を求め、その情報を基にグリーンメーラー(株価を吊り上げて会社に買い取らせる株主)、会社の重要な情報や資産を焦土経営、会社資産の流用など会社や他の株主の利益を損ねる行為を目的とする場合には、対抗措置をとるというものだ。

 これにアルファレオHDがかみついた。同年9月には、臨時株主総会の招集を請求し、(1)取締役の報酬引き下げ、(2)特別配当、(3)乾康之取締役の解任、(4)自己株式の取得とともに、(5)買収防衛策の廃止を求めた。

 乾汽船の経営陣は、これらの株主提案のうち、(5)買収防衛策の廃止については適法性に問題があるとして臨時株主総会に付議しないことを決定。アルファレオHDは10月11日、「本買収防衛策の廃止」を議案とする臨時株主総会の招集許可申し立てを行った。

×

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング