乾汽船を異常なほど執拗に攻撃する“正体不明の投資ファンド”…狙われる不動産リッチ企業

Business Journal / 2020年10月30日 6時0分

 しかしアルファレオHDはまだあきらめなかった。今度は19年10月7日の取締役会で「買収防衛策の廃止」を取り上げなかったことを理由に、加島昭久監査役と山田治彦監査役の解任請求訴訟を提起した。議案自体は上述のように和解の上で、今年5月7日の臨時株主総会で決議され、否決されているにもかかわらずだ。

 会社側は7月30日、定時株主総会の決議に従い、アルファレオHDに情報提供要請に基づく最初の質問状(中身)を送付。8月31日にはアルファレオHDから質問状の回答が寄せられたが、ここには第100回定時株主総会における会社提案議案に関する各決議の取り消しを求める訴えを提起したことを理由に回答を控えた。そして8月28日には総会決議取消訴訟を提起。9月8日には臨時株主総会の招集を請求し、(1)弁護士法人御堂筋法律事務所社員で社外取締役の川﨑清隆氏の取締役解任、(2)買収防衛策の廃止を株主提案として提起した。

「アルファレオHDの主張はまったくの事実無根。乾社長が会社を私物化しているといったころはなく、株主総会は適法に行われています。アルファレオHDはこれまでにも何度となく裁判を起こし、再三にわたって裁判所に却下されている。会社としては多くの株主の立場を考え、最善の対応を取っている」(乾汽船関係者)

 乾汽船の株価純資産倍率は1.21倍程度。一株当たりの純資産の割合だが、1倍前後の会社はキャッシュリッチだったり、豊富な含み資産を持つ企業が多く、乗っ取りの対象になりやすい。

 乾汽船もまた勝どき・月島に巨大な不動産を持っていることから乗っ取りの対象にもなりやすい。そのため乾汽船の事業より、買収し不動産の転売や会社を解体して不動産だけを手に入れるような会社が出てくおそれがある。つまり既存株主にとっても大きな損失を被るリスクを抱えているわけだ。慎重に対応したいものだ。

 11月4日、果たしてどのような結果となるのか。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

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