櫻井翔ドラマのベストは?『家族ゲーム』の異常性と『木更津キャッツアイ』の凡庸さの背景

Business Journal / 2020年12月30日 5時5分

 ちなみに『家族ゲーム』は過去に長渕剛、松田優作、鹿賀丈史がそれぞれ主演を務めてドラマ化・映画化されている。櫻井は「SPA!」(扶桑社)2013年6月11日号で、同ドラマに主演することについて以下のように明かしている。何度も映像化され、大御所たちが主演を務めてきた作品であっても、主演として自身が置かれた状況を冷静に分析していたようだ。

「(歴代作品を)意識してないと言えば嘘になるし、これまでの作品へのリスペクトもあります。でも、例えば森田芳光監督の『家族ゲーム』が公開された当時の熱気を僕は知らないし、前提となる時代背景も違うじゃないですか。それを意識してなぞろうとしたところで、先行作品を超えられないどころか、同じラインにも立てないと思うんです。だから、僕たちは2013年版のまったく新しい『家族ゲーム』を作るんだというつもりで臨みましたね」

クドカン『木更津キャッツアイ』のバンビの“普通さ”を的確に演じてみせた櫻井翔

 自身に求められているものがなんなのか見極める櫻井の分析力は、コメディタッチの強い作品でも発揮されている。

 宮藤官九郎脚本の大ヒットドラマ『木更津キャッツアイ』(TBS系)で、草野球チーム“木更津キャッツ”のメンバー・バンビを演じた櫻井。“木更津キャッツ”には、悪性リンパ腫で余命半年のぶっさん(岡田准一)、モヒカン刈りで吃音気味のうっちー(岡田義徳)、爆発頭で妻の尻に敷かれているマスター(佐藤隆太)、ニートでギャンブラーのアニ(塚本高史)といった、個性的でわかりやすい特徴を持つキャラが勢ぞろいしているが、バンビは着物を普段着とした童貞キャラの大学生。他の4人に比べるとややインパクトに欠ける、平凡なキャラクターだ。

 ただ、バンビも他のメンバーに比べて自身が常識的であることを自覚しており、ゆえにメンバーとの間に微妙な距離感を覚え、ほんの少しだけもどかしさを感じているような様子もある。とはいえ、振り切って秘められたキャラを解放するわけでもない。仲間との時間を楽しみつつも、それに染まりきることはなく、“普通っぽさ”をどこかで匂わせ続けている。こうして、本来基準が曖昧な“普通”という特徴をうまく表現できているのは、櫻井がバンビというキャラクターを的確に分析していた結果なのだろう。 

 このところは、キャスターや司会としての活動が多かった櫻井だが、2021年4月クールの広瀬すずの主演ドラマ『ネメシス(仮題)』(日本テレビ系)に出演が内定していると「文春オンライン」が伝えている。嵐としての活動はいったん休止となるものの、2017年10月クールの『先に生まれただけの僕』以来、3年半ぶりとなる櫻井の連ドラ出演にファンの期待は高まるばかりだ。

(文=編集部)

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