アップルが、iPhone部品生産遅れたシャープに甘いワケ

Business Journal / 2012年11月1日 6時5分

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 さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?

●サムスンのアップル決別宣言

 10月22日。これまでアップルに液晶を供給してきたサムスンが、アップルと決別すると報じられた。The Korea Timesによると、サムスン(サムスンディスプレイ)は、これ以上アップルのディスプレイ価格についてコスト削減要求(huge price discounts)をのむことはできず、供給を停止していくという。また、アップルとのビジネスがなくなったとしても、キンドルや自社商品によって代替できるという(the right alternatives)。しかし、この報道について、米CNETは誤報であると匿名サムスン幹部のコメントを伝えており、現時点では本当のことはわからない。

 ただし、関係者からすると「予想できた」事態ともいえる。各国でのサムスン対アップルの訴訟合戦は広く知られている。グーグル対アップルの代理戦争ともいわれるこの闘いは、次世代のスマートフォン覇者を決める争いとして注目された。これまで、サムスンとアップルは表面上「敵」であるものの、部品供給の面では「パートナー」でもあった。同じくThe Korea Timesによると、この半年でサムスンディスプレイはアップルに1500万枚ものディスプレイを供給している。

 しかし、「敵」と「パートナー」を使い分ける高度な二重構造も、訴訟合戦の前には変化を余儀なくされた。これまでiPhoneシリーズで使われていたサムスン部品類の多くは、他社製へと切り替わった。iPhone 5で、液晶はサムスンの供給意思にかかわらず、シャープ等に代替されたし、メモリーやDRAMなども同様だ。

 サムスンは、他のアップル製品に、まだ多くの部品類を供給している。ただし、これからもアップルのサムスン外しは考えられる。それならば、こちらから決別宣言をしてしまえ……とサムスンが考えてもおかしくない。そこで飛び込んできたのが、サムスンディスプレイの「アップルへ供給しない宣言」だった。冷静に見れば、まだサムスンが本当に決別を考えているかはわからない。ただし、関係者にとっては「いよいよ全面戦争の始まりか」と思わせるに十分だった。

●サムスンかアップルか、部品メーカーの選択

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