差別主義で訴訟続出…“高額”人気ブランド・アバクロの品性

Business Journal / 2012年11月3日 6時5分

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 タレントの間でも人気が高く、「おしゃれでカッコいい」と今はやりのファッションブランド・アバクロが、実は有色人種を毛嫌いしており、非白人に対してのあからさまな人種差別が、しばしば問題となっていることをご存じだろうか?

 アバクロの正式名は、アバクロンビー&フィッチ(Abercrombie&Fitch)。創業は1992年。現在の本社はオハイオ州に置くが、創業の地はニューヨーク。当初はニューヨーク近郊の富裕層男性向けのスポーツカジュアルウェアのメーカーとしてスタートした。社名は創業者のデイビッド・T・アバクロンビー氏と、同店の熱心な顧客であった弁護士のエズラ・フィッチが経営陣に加わったことから、現在の社名となった。

 創業当初は、ハンティングやフィッシング、そしてそれに伴うアウトドアライフのためのさまざまな用品を扱う人気店だった。当時は人気作家のヘミングウェイなどにも好まれたといわれ、その質実剛健な企業姿勢は多くの熱心な愛好家を生み出したとされる。フィッチ氏が高齢もあって勇退後、石油危機などをきっかけに77年に破綻してからは、何度かの企業買収を繰り返して、88年には衣料品大手のリミテッド社の傘下となる。その10年後、傾きかけていた経営を立て直すべく、ごく一般的なカジュアルブランドへ大転換し、大成功を収め現在の隆盛を築いた。ところが、人気ブランドとして成長する傍ら、さまざまな問題が浮き彫りになってくることとなる。

●モデルは白人ばかり

 店舗前に上半身裸の男性モデルが立ち、女性客の集客に努めるアバクロの宣伝手法は有名だが、そのモデルや店舗内の販売員に有色人種がおらず、白人ばかりであることも以前より広く知られていた。当然このような態度は、欧米諸国では大問題へと発展する。

 まずは03年、米国3大TVネットワークの一つ、CBSによる取材では、アバクロの元従業員たちが、同社の差別待遇を赤裸々に語り、全国放送されたことで大きな反響を呼んだ。続く04年には、同社が白人ばかりを優先して雇用し、有色人種は拒否、もしくは店舗内での販売ではなく厳しい裏方業務のみに振り分けていたことなどが指摘され、集団提訴に至る。これを受けた同社は、かつて雇用した従業員ばかりではなく、雇用には至らなかった就職希望者に対しても、総額50億円近い賠償を行うこととなった。


 また09年には、英国で身体障害者の女性社員に対し、店舗内での接客業務を拒否したうえ、倉庫業務を強いた。08年には、イスラム教徒の女性がヒジャブと呼ばれるスカーフを頭に着けたままであったことが理由で不採用となり、いずれも大きな社会問題となった。10年にはアフリカ系アメリカ人の男性が、その髪形が不適切ということで解雇。いずれもアバクロ側が敗訴/謝罪する結果となっている。

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