“スキルアップ幻想”の終焉…会社にしがみついたほうが得?

Business Journal / 2013年1月2日 9時35分

写真

 2000〜10年代、転職や資格、異業種交流などを通じてスキルアップ、キャリアアップを図ろうという“ブーム”があった。現在でも、朝活やTOEIC受験、資格取得などにはげむ人は多く、“スキルアップブーム”は一向に冷める気配はない。しかし、『なぜ、勉強しても出世できないのか?』(ソフトバンククリエイティブ)の著者、佐藤留美氏によれば、そんな“スキルアップ族”の多くは失敗し、スキルダウンしていったという。

 今回、佐藤氏に、

 「勝ち組になるはずだった若者たちは、どうして負け組になってしまったのか?」
 「幸せな仕事人生を送るために“本当に”必要な仕事術」

について聞いた。

ーー今回、『なぜ、勉強しても〜』を書かれたきっかけについて、教えていただけますでしょうか?

佐藤留美氏(以下、佐藤) 私はこれまでに、一生懸命スキルアップに励んでいる、いわゆる「スキルアップ族」と呼ばれる30歳前後の人をたくさん取材してきました。しかし、彼らを見ていると、キャリアアップするどころか、キャリアダウンの転職を繰り返している人が多い。一方で、転職せず、新卒で入社した会社でずっと働き続けている人は意外と元気です。「この差は、どこからきているのだろうか?」と思ったのがきっかけでした。

 私自身、1990年代後半から00年代前半まで、キャリア系情報誌で、「転職を通じていかにスキルアップするかが重要で、それなくして勝ち組になれない」という記事をたくさん書いていました。それに、スキルアップは前向きな行動ですから、当然すべきものであり、ためらっている人の背中を押すような記事を書くことに、当時は疑問を持つということはありませんでした。

 でも、最近そういうスキルアップ族の元気のなさを見て、「何か違うぞ、もしかしたらミスリードしてしまったのではないか?」と思い、あらためて調べてみることにしたわけです。

ーー調べてみて、いかがでしたか?

佐藤 例えば、東日本大震災後であれば、人々は何かにつけて“絆”という言葉を口にしますよね。それから、小泉純一郎政権時代は“自己責任”ですか。そういう“時代のノリ”というのは、いつの時代にもあります。スキルアップ族は、当時の“ノリ”に乗せられてしまった人が多かったのではないかと思います。自分たちの未来のためにと、本業を忘れて、資格取得やTOEICに心血を注いでいる人は至るところにいましたね。

ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング