初音ミクの画像は勝手に使ってよい? 『初音ミク』の販売元のクリプトン社に聞く

Business Journal / 2013年4月16日 6時55分

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 こんにちは。江端智一です。

 前回、本来なら簡単に回避できるはずの著作権侵害事件が発生してしまう構図と、そしてその問題をさらに複雑化させる「N次著作」について説明させていただきました。今回は、これらの問題に関する具体的な取り組みについてお話をさせていただきたいと思います。

●「江端さん、『ピアプロ』という仕組みがあるのですよ」

 私が、以前ボーカロイドプロデューサー・Pさんへのインタビュー(『キャラ設定はない?ボカロPが語る「「初音ミク」の作り方」?〜AKBファンと同じ?』)を行っていた時のことです。

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Pさん ボカロは、ある人の創作物に対して、さらに色々な変更を加えていくという、いわゆる「N次創作」に特徴があります。これは「一人で閉じた世界での創作活動」を妨げませんし、むしろ、そのように改変され続けていくところに、ボカロの魅力があると思います。
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 このPさんの見解に対し、私の中には引っかかるものがありました。前回ご説明したように、「N次創作」によるN次著作物を合法的に取り扱おうとすれば、 その権利関係は絶望的に難しくなるという先入観がありました。

 この端的な例が「映画」です。許諾を得なければならない人は、「原作者(著作者)」「原作の著作権者」「脚本家」「作詞家」「作曲家」「演奏家」と、思いつくだけでも、これだけの人への「お願いツアー」を行わなければならず、当然対価も発生するのです。つまり、N次創作に関係する、1、2、…N-1次創作にかかわる権利者「全員の許諾」が必要となり、一人でも許諾が得られなかったら「おじゃん」になるからです。「『N次創作』が『初音ミク』発展の原動力である」というPさんのご意見は、私には、にわかには信じられなかったのです。

 そのような経緯もあり、「初音ミク」3部作を脱稿した直後から、その「ピアプロ」なるものについて調査を開始したのですが、これがどうにもよくわからないのです。

 まず、「初音ミク」パッケージを販売している、クリプトン社が作成した、ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)の内容の把握から開始したのですが、以下の3行を読んだ時点で、すでに混乱状態になっていました。

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