防衛大卒、なぜ大手企業採用担当者たちから大人気? 自衛官任官拒否への賛否両論

Business Journal / 2013年7月23日 7時0分

写真

※各業界の最新ニュースをお届けする新ニュースサイト「Business Topic」がオープンしましたので、ぜひご利用ください。

 景気回復の兆しが見えつつある。大手から中小・零細に至る企業の採用担当者にとって、人材採用における売り手市場と呼ばれる好況期ほど難儀を強いられるものである。これは時代を問わず変わることはない。

 「頭脳明晰、かつ礼節を兼ね備え、上には絶対服従、だが盲従に非ず。それでいてリーダーシップあり。そんな人材を、限られた時間で効率よく探し出すのが企業の採用活動」(コンピュータメーカー大手採用担当者)

 こうした素養を兼ね備えている人材として、いつの時代も企業側が注目しているのが、防衛大学校(以下、防大と記す)の学生だ。

 「防大の学生さんは、4年間、規則正しい集団生活をしてこられた。素行面で問題ない。学業も熱心。語学力も高い。文系学部の方でも数学も強い。運動部への入部を義務付けられている。だから体力、気力も申し分ない。そんな知力・体力・気力の三拍子揃っている防大生は、ビジネスマンとしても十分通用する人材。ぜひ採用したいので、こぞってアプローチしてきてほしい」(同)

●大手企業は防大生採用に意欲

 だが防大は、そもそも陸・海・空3自衛隊の幹部自衛官を養成する大学相当の教育機関。学生といえども毎月給与をもらっている特別職国家公務員の身分。1人当たり約250万円の学費をはじめとする費用は、幹部自衛官になるために血税を割いたもの。ゆえに卒業と同時に民間への転身には、防衛省・自衛隊はもちろん、世間一般でも大きな批判がある。

 その一方、「防大生の方からの採用面接希望はウエルカムです」(同)という声は、総合商社、マスコミ大手、都市銀行などの採用担当者からも、多々耳にするところだ。

 「防大出身者に、採用後の防衛省・自衛隊との人脈云々は、一切期待していません。あくまでも防大生の持つポテンシャルの高さへの期待です。能力的な高さ以上に、国家観を見据えた視野、エリートとして教育された素地、ここがしっかりしているからこそ、ぜひ採用したいと思っています」(都市銀行人事担当者)

●民間就職に好意的な声も

 では、防大側は、こうした声をどう捉えているのだろうか。自身も防大OBで、防大教官経験のある現役幹部陸上自衛官はこう語る。

 「幹部自衛官を養成する防大では、卒業後の進路は原則、幹部自衛官しかありません。それを目的とした学校なので。身体的な事情などで転身を許可された者以外は、自衛官となることが当然という前提ですから。憲法上の職業選択の自由があるとはいえ、任官辞退【編註:任官拒否のこと】や自衛官任官後の早期退職は、どこか違和感を感じます」(現役幹部陸上自衛官・1佐)

ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング