池井戸ドラマ両方必見?万人受け『半沢直樹』、会社員の痛々しさが切実な『七つの会議』

Business Journal / 2013年7月27日 6時0分

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 主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。

 ネジドラマ……もとい、小説家・池井戸潤原作の企業ドラマが話題になっている。視聴率絶好調の『半沢直樹』(TBS系)が万人にウケる、老若男女問わず飲みやすいキャラメルラテだとすれば、『七つの会議』(NHK)は良質の豆から挽いたブラックコーヒーだ。企業に勤めるビジネスパーソンであれば、後者のほうにぐぐっと惹かれているのではないだろうか。

 中堅電機メーカーの内部で起きた不正隠蔽(いんぺい)を描くサスペンスタッチのドラマで、主役は東山紀之(少年隊のヒガシね)。営業部の課長だが結果を出せず、部長からは「その顔で枕営業でもしてこい」的なことを言われちゃう始末。そんなヒガシが、営業部と製造部で結託して隠蔽している不正に気づき、サラリーマン(社隷)として生きるか否かで煩悶する物語。

 まず、戦略的な映像がNHKならでは。「地道なのにスタイリッシュ」とは実はものすごく難しいところで、民放局にはなかなかできない。どうしても万人ウケを狙って微妙にダサくなるのが宿命だから。画面上でY字路をつくり出し、左右から人物を歩かせて、社隷人生の岐路を表現したり、緊張感や緊迫感を表すスローカメラの映像を差し込んだり、と随所にハイセンスな映像が見られる。かと思えば、ネジ工場で働く人の指先や、その指の真っ黒な汚れが白い書類にくっきり付くシーンをアップで映し出したり(ホワイトカラーとブルーカラーの如実な格差)。あざといけれど嫌みがない。渋さが上回るのだ。

 渋いのはそれだけじゃない。役者陣である。隠蔽を隠してきた営業部長に石橋凌、万年係長だが不正に一番早く気づいたのが吉田鋼太郎。声量がある、恰幅のよい、芝居にメリハリのある俳優たちがピンと張りつめた空気感を醸し出している。主役の迫力不足を強烈な脇でガッツリ固めていく算段ね。個人的には山崎樹範の“コンプレックス塊感”、甲本雅裕の“下請け業者虐げられ感”、豊原功補の“やさぐれ感”がツボ。適材適所に思わず唸った。

 で、最大の魅力はセリフに込められた「しょっぱい現実」だと思う。まず、サラリーマンなら誰もが感じたことのある「会議への疑問」が皮肉られている。

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