広がる“アベノミクス”倒産の実態、9月から増加懸念も〜建設、運輸、不動産…

Business Journal / 2013年8月1日 7時0分

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 倒産は企業の死である。民間信用調査会社が発表した2013年1~6月の企業倒産件数(負債総額1000万円以上の法的整理)は、前年同期比7.8%減の5310件と7年ぶりの低い水準となった。しかし、業界によっては、決して喜んではいられない事態が進んでいる。

 企業の死は、7月21日に投開票された参院選がひとつの節目になる。選挙直後の8月はお盆休みもあって、例年、倒産は少ない時期。実質的には9月に、倒産は本番入りということになるだろう。

 “アベノミクス倒産”の特徴を挙げておこう。円安による輸入価格の上昇は、素材メーカーの収益を圧迫している。輸入価格の上昇や電力料金の値上げは企業にとってはコスト増だが、体力のない中小企業はコスト増分を製品価格に転嫁できず、収益は一段と悪化している。素材産業の経営基盤は予想以上にもろくなっている。

 運輸業者はトラックの燃料に使われる軽油の価格が、リーマン・ショック後の2009年3月に比べて1リットル当たり40円上昇。運輸業界全体で年間6800億円のコスト増になる。運送費の20%が燃料費だが、長距離業者では40%を占めることもある。本来なら喜んで引き受ける長距離の荷物を断るところも出ているのは、このためだ。運輸業界は存亡の危機を迎えている。他の業界に先行して運輸業者の1~5月の倒産は173件と、前年同期を上回った。

 マンション建設の東海興業が4月、負債総額140億円で東京地裁に民事再生法の適用を申請した。東海興業は、これで2度死んだことになる。1度目は97年7月、会社更生法を申請した。負債総額は5110億円で、バブル崩壊後のゼネコンの連続倒産の口火を切った。一度は立ち直ったが、今回、2回目の法的措置となった。受注は増えていたが、資材費や人件費の高騰で工事の採算が悪化し、資金繰りで行き詰まった。地場ゼネコンから30~50億円規模の倒産が出始めるとピンチである。

 6月28日、土木建築資材卸のササ井鋼建が自己破産を申請した。負債額は30億円。タイルや床材を製造・販売しているフッコー(山梨県笛吹市、負債13億4000万円)は、6月26日に民事再生法を申請した。富山湾建設(高岡市、負債17億1000万円)は、6月21日に富山地裁高岡支部から破産手続きの開始決定を受けた。金谷(かなたに)工務店は、7月12日に富山地裁に民事再生法を申請した。負債総額は21億5700万円。農協とのつながりが深く、ピーク時には年商30億円を計上していた。国家強靱化計画などで公共工事の増加が見込まれる建設業界だが、過去の赤字の蓄積や過剰債務、労務費の高騰の三重苦に悩まされている。

●増える地場ゼネコンの倒産

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