安倍政権が孕む危険〜アフラック・日本郵政提携とTPP交渉で公約違反が露呈?

Business Journal / 2013年8月12日 7時0分

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 安倍晋三首相が、日米首脳会談後の記者会見で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」と述べたのが2月のこと。

 マレーシアで開かれた、日本が初参加した第18回TPP交渉の全日程が7月25日に終了した。そしてその翌日26日に、日本郵政とアフラックの業務提携が発表された。

 日本郵政は、2008年10月からアフラックのがん保険を販売しており、13 年 7 月現在、1000 局 の郵便局でがん保険を取り扱っているが、今回、新たに業務提携を強化することに合意したという。具体的な内容は、アフラックのがん保険を現在の20倍にあたる約2万局で販売することを目指し、順次、取扱局の拡大に取り組むとしている。また、日本郵政傘下のかんぽ生命はアフラックと代理代行契約を締結し、アフラックは日本郵政及びかんぽ生命にて取り扱う専用商品(がん保険)の開発を検討するとしている。

 TPPについて、米国は日本との共同声明の中で、保険分野を残された懸案事項のひとつとしている。これは要するに、「かんぽ生命と民間企業との間での対等な競争条件を求めている」ということだ。そこで、米国資本であるアフラックが、水面下で業務提携の強化の働きかけを日本郵政に対して行ったのは間違いないだろう。また4月には麻生太郎財務相が、「かんぽ生命が新商品を申請しても認可しない」と異例の表明を行っている。

 そして、日本が初参加したTPP交渉会議の翌日の、アフラックと日本郵政の業務提携強化の発表である。この提携強化は、日本政府がTPPに向けた米国への配慮であることがわかる。しかし、国と国との間の配慮であれば、国益の上にたつ配慮でなくてはならない。いや、日本郵政は民間の会社ではないか? と思う人もいるだろう。表面上は、確かに民間であるが、日本郵政の株は100%、政府が保有しているのである。

 さて、それでは今回「配慮」が示されたTPPについて、改めて考えてみよう。ここかしこで、幾度も問われていることだが、そもそも日本のTPP参加は、国益に敵うのだろうか? まずは参加するタイミングが常軌を逸している。今回のTPP交渉はすでに「第18回」目なのである。これまでに決まったことは当然ながら変えられない。重要事項を決める会議に、あとから参加して主張をしても、通る可能性は低い。そして、日本は重要5品目、すなわちコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、サトウキビなど甘味資源作物を守ると言うが、守るだけなら、なにも最初からTPPに参加する必要などないのだ。この参加によって日本が勝ち取れるもの、国益に敵うものはなんなのか? 

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