セコム、過去最高益・高利益率の秘訣は“よくわからない会社”と、複雑な儲かる仕組み

Business Journal / 2013年8月17日 6時0分

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 企業収益の回復が著しい。8月9日に発表のピークを迎えた2013年4~6月期連結決算でも、自動車や電機など円安の恩恵を受けた輸出型企業の復調が目立った。一方、海外売上比率がまだ4%強であるにもかかわらず、「過去最高」を記録した企業がある。それは今年7月7日に創業51周年を迎えたセコムだ。


 同社は、売上高で15%増の1906億円、営業利益も19%増の277億円と増収増益を達成。そして、純利益は前年同期比25%増の190億円と、4~6月期としては過去最高を記録した。

 細かく見ていくと、まず主力のセキュリティ事業で高機能な警備サービスの売上高が前年同期比で10倍に伸びた。企業向けだけでなく家庭向けの情報データを預かる機能が付いた警備も伸長。医療サービス事業は38%の増収。情報通信事業は12年10月に買収した東京電力傘下のデータセンター会社の寄与で2.8倍に伸びた。

 4~6月期の純利益は通期予想(前期比4%増の661億円)の3割弱に達しており、7~9月期の業績が順調に進めば、通期業績を上方修正する可能性もある。同社は、高機能なサービスを海外に展開する戦略で、海外売上高比率を10%にする計画を進めているが、15年末までに7.5%を実現する考えだ。その一環として、同社は今年7月にオーストリア国防省から国防施設16カ所のセキュリティ対策を受注した。

 セコムが注目されているのは、好調な自動車各社も及ばない利益率の高さである。ちなみに、絶好調とマスコミからもてはやされているトヨタ自動車の売上高営業利益率(4~6月期)が10.6%であるのに対して、セコムは14.5%もある。

 では、現在のセコムとはどういう会社なのか。ほとんどの人は「警備会社でしょ」と答えるだろう。だが、実態はそれほどシンプルではない。同社は日本初の警備会社として誕生し、今や、同業界ダントツ首位の座を占める。しかし他にも、警備保障会社からセキュリティをコア事業に据え、防災、メディカル(医療)、保険、地理情報サービス、情報通信(ICT)、不動産など社会が求めている事業を相次いで起こし「社会システム産業」という新しい業態を築いているのだ。セキュリティ【註1】、防災【註2】、地理情報サービス【註3】などの事業は、国内のみならず海外19カ国で展開している。

 この業容拡大を創業者(現・最高顧問)の飯田亮氏は「多角化」とは呼んでいない。「意思は違うが一緒になってやっているので“国連の多国籍軍”のようなものだ」と表現する。その後、M&Aを含めて断行した「非連続的イノベーション(discontinuous innovation)」こそ、セコムの真骨頂といえよう。非連続に拡大しているうちに「よくわからない会社」になった。

●グループ企業は“自律”のステージへ

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