豪雨の隅田川花火大会、雨天予報でも延期されない“お金の”事情〜巨額予算、経済効果…

Business Journal / 2013年8月21日 7時0分

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 東日本大震災の影響で全国的に自粛された2011年を除き、毎年7〜8月にかけ、日本各地では大規模な花火大会が行われる。今年の特徴としては、局地的な大雨「ゲリラ豪雨」の影響で、多くの花火大会が中止、延期となる事態が相次いでいる点が挙げられる。

 そんなゲリラ豪雨が、東京三大花火大会の一つであり、過去10年間で一度も中止や順延されたことのなかった隅田川花火大会を襲った。19時の開始間もなく豪雨となり、わずか30分で中止。多くの見物客がずぶ濡れのまま「帰宅難民」になる事態が起きてしまったのだ。

 大会当日7月27日19時台の天気予報は「弱雨」ではあったが、大気の状態が不安定で、
局地的に雨雲やカミナリ雲が発生する可能性も指摘されていた。

 こうした予報を受け、もし事前に中止が決定されていれば、多数の帰宅難民や交通機関の混乱が生じる事態を避けられたにもかかわらず、なぜ決行されたのか?

 その背景には、容易に延期や中止を実行できない“大人の”金銭事情があるようだ。

●巨額の開催予算と税金投入

 まず、花火大会の予算はどの程度なのか見てみよう。東京都台東区や墨田区などの行政機関、地元の町内会の関係者らで構成される隅田川花火大会実行委員会事務局への取材では、12年度の予算は約1億5000万円と報じられている(12年7月5日付日本経済新聞記事)。予算の内訳は、花火の打ち上げ費用が約7000万円と最も多いが、その他にも警備費用に約3000万円、救護所のテントや仮設トイレの設置費用に同じく約3000万円と続く。警備費用やテントや仮設トイレの設置費用は、開催日が順延されれば、その分割増になることは十分に考えられる。

 一方、収入面では、東京都、墨田区を中心とした地元自治体で約1億円の税金が投入される。これは、「他地域から来る観覧者が消費してくれることで地域経済の振興につながり、地元のブランド力を高めることができる」(大会事務局/前出記事より)といったPR効果を期待しているからだという。

 事実、今年の大会の協賛にも名を連ねている東京スカイツリーでは、7月27日は特別営業として、17時30分から22時までは840名限定の特別営業を行い、その中には、帝国ホテル宿泊・ハイヤー送迎付きの1人8万8800円(大人・小人同額)の高額プランもあり、全て完売していた。さらに、前出の日本経済新聞記事からは、隅田川沿いのテラスや野球場で観覧できる有料の観覧席を設ける市民協賛金制度で集めた2200万円(1口5000~2万4000円の約4000口)や、当日隅田川を運航する屋形船からの協賛金700万円も大きな収入源であることがわかり、今年もこの収入額は大きくは変わらないとみられる。こういった暗黙のプレッシャーにより、簡単には大会の延期・中止を決断できなくなってしまったと思われる。

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