中国、日本ブランドを勝手に商標登録、日本企業の被害深刻化〜ネット上に蔓延する模倣品

Business Journal / 2013年8月30日 14時0分

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 近年、日本企業の商標や商号、ドメイン名などが第三者によって不正に登録され、問題となっている。中国市場で第三者に不正に商標権を取得された場合、権利執行が困難となり、さらには逆に不正に商標権を取得した者から訴えを提起されるリスクを抱える。

 中国では、外国企業の商品ブランドを、第三者が商標として「冒認出願」する事案が増加している。冒認商標出願は“抜け駆け商標登録”とも呼ばれ、日本の企業が中国で商標を出願・登録する前に、第三者が自己名義で当該商標を出願・登録してしまうことなどをいう。企業がその被害に遭えば、自らのブランドを商標として使用できないリスク、ブランドイメージの毀損などビジネスに多大な悪影響を及ぼす。

 さらに、日本企業が模倣品対策を行おうとする場合、商標出願の事実をその対抗策として悪用するケースもある。また、冒認商標を取り消すためには、多大な時間とコストがかかるが、それでも最終的に商標を取り戻せるとは限らない。

 冒認商標出願は、日本企業が事業を行っている商品分野に限らず、日本企業が商標登録していない商品分野での出願、日本の地名や地域ブランドの出願、日本のマンガのキャラクターを利用した出願、中国未進出企業や中小企業の商標の出願などをするケースも増加している。また、出願される商標も、商標を類似といえるかどうかが微妙な態様に変更したり、出願者の悪意を立証することが難しいように、複数者で分担して出願したりするなど手口が巧妙化している。

 2012年度の模倣被害調査報告書でも、171社が中国において商標の不正な権利取得の事例があると回答している。例えば、「ヨネックス」「無印良品」及び「MUJI」ブランド、『クレヨンしんちゃん』の商標等があるが、このように製造業・サービス業の幅広い業種に被害が出ている。

 こうした冒認商標出願が増加している背景としては、インターネットの普及により、誰でも外国ブランドの情報を簡単に入手できるようになったことや、将来中国に進出しそうな日本のブランドを片っ端から商標出願・登録しておき、先に登録してあることを盾に、商標を高値で買い取らせようとする者が増加していることが挙げられる。その上、冒認商標出願を積極的に手引きする“代理人の存在”が指摘されている。

 さらに、中国では日本企業の商号を悪用する事案が急増している。日本企業の名称を含んだ「広州○○有限公司」や「△△化工有限公司」といった商号を登記した上で商売し、日本の本社から授権されていると消費者に誤認させたり、また日本企業の関連会社であると宣伝しながら商売を行う悪質な業者も存在する。日本企業を連想させる商号を無断利用し、日本企業のブランドに“タダ乗り”している。

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