マック社長交代の舞台裏と新体制への懸念〜原田マジックの誤算、売上減に歯止めかかるか?

Business Journal / 2013年8月30日 6時0分

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 日本マクドナルドホールディングス(HD)傘下の事業会社、日本マクドナルドの社長兼CEO(最高経営責任者)にマクドナルド・カナダの女性幹部、サラ・カサノバ氏(48)が就任した。原田泳幸会長兼社長(64)は日本マクドナルドHDの会長兼社長を続投。事業会社の会長にもとどまるが、営業のリーダーシップはカサノバ氏に移る。日本マクドナルドHDとしては、事業会社の外国人社長は初めてだ。

 8月27日、東京都内で記者会見した原田氏は、社長交代の理由を「売り上げ回復のためにも、一刻も早く新たな経営のタレント(才能のある人)を追加したかった」と説明した。カサノバ新社長は「日本の市場をよく知り、グローバルな経験を持っている」と述べ、適任だと強調した。原田氏は「私が(カサノバ氏を)指名した」と記者会見で述べたが、業績悪化に危機感を持つ米本社の意向が強く働いた結果だとみられている。

 サラ・カサノバ氏はカナダ出身。カナダのマックマスター大学大学院の経営修士課程を終了。91年にマクドナルド・カナダに入社。6カ国のマクドナルドでマーケティングを担当し実績を重ねてきた。2004年から5年間、日本マクドナルドの執行役員マーケティング本部長と事業推進本部長を務めた。「えびフィレオ」「メガマック」などヒット商品を投入し、営業成績を押し上げ、日本への出向は5年に及んだ。社長に就任する直前はマレーシア・シンガポール地域の責任者を務めていた。カナダ法人に22年間在籍するなど“マック一筋”のキャリアの持ち主だ。

 これまで、マクドナルドの米本社・海外法人出身者が日本法人の会長やCEOに就いても、国内の営業を担う事業会社の社長になることはなかった。マクドナルドは米本社主導で日本の立て直しを急ぐことになる。

●原田氏退任の背景に業績悪化

 社長交代の理由は業績悪化だ。日本マクドナルドHDは8月9日、13年12月期連結決算の業績予想を下方修正した。上半期の販売不振に加え、円安で原材料の調達コスト増が負担になったためだ。期初計画(2月発表)に対して、売上高は45億円減の2650億円、営業利益は52億円減の200億円、純利益は24億円減の117億円に引き下げた。当初、増収増益を予想していたが、前期比で売上高は10%減、営業利益は19%減、純利益は9%減ということになる。

 12年12月期も減収減益だった。2期連続の減収減益は原田氏が04年にマクドナルドのトップに就任して以来、初めてのことだ。これが原田氏退任の決め手となった。

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