階級社会化するネット〜膨大な弱者が少数の勝者に搾取されるネットの現実

Business Journal / 2013年9月5日 8時0分

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 『ウェブはバカと暇人のもの』『ウェブを炎上させるイタい人たち』『ウェブで儲ける人と損する人の法則』など、ウェブ編集者の視点でネット社会を痛烈に風刺した本を次々に世に送り出してきた中川淳一郎氏。中川氏の最新作『ネットのバカ』(新潮新書)が7月に上梓され、話題となっている。

 著者である中川氏に、『ウェブはバカと暇人のもの』を発行した4年前から現在までに変わったネットの現状について語ってもらった。

── 新著『ネットのバカ』は、2009年に刊行された『ウェブはバカと暇人のもの』の続編、という色合いが強い本ですね。

中川淳一郎氏(以下、中川) はい。日本におけるインターネットを俯瞰する、という点で通底しています。『ウェブはバカと~』の後も、ネット炎上を軸にした『ウェブを炎上させるイタい人たち』や、ネットのビジネス利用、マネタイズを中心に語った『ウェブで儲ける人と損する人の法則』など、特定のテーマにフォーカスしたネット関連本を書きましたが、総覧的に記したものは『ネットのバカ』が4年ぶりの本になる、ということです。

── 俯瞰する本を4年ぶりに執筆された理由は?

中川 端的には、本を1冊書けるだけのネタが揃った、ということ。毎日毎日、それこそ365日ずっとネットニュースを編集し続けている“IT小作農”であるオレは、どんなニュースがネットでバズった(編註:話題になった)か、どんなバカが出てきたか、日々記録しています。そうして地道にネタを蓄積して、ネット文脈のようなものを読み解いて、ようやく1冊書けるくらいの手応えを得られたので、そろそろ書いてみようかなと腰を上げることができた。もちろん、新潮社の担当編集者が熱心に口説いてくださり、いろいろな視点や構成プランを提案してくれたことも大きいですが。

── 4年かけて、ネタを蓄えたわけですね。

中川 ええ。オレは、評論家でも文化人でも小説家でもなく、一ネットニュース編集者です。実務者として本を書かせてもらう以上、実務を通じて得た新しい知見や新しいトピックをしっかりと蓄えてから、新しい本を世に出すのが筋だと思うので。だいたい、過去ネタの焼き直しや手クセで雑感をまとめたような本を書くなんて、不誠実この上ないですよ。特にビジネス系では、そういう著者も多いみたいですけどね。

 正直、いろいろな出版社からオファーはいただいていたんです。「『ウェブはバカと~』の続編を書きませんか?」「現時点でのネットを総括するような本を出しませんか?」と。ただ、「ごめんなさい。書けません」と、ずっとお断りしてきた。オレとしては、『ウェブはバカと~』でネットの現実はすべて語ってしまった感覚があって。翻って言うなら、この4年間は『ウェブはバカと~』で語ったネットの身もふたもなさが、より強固になっていく、さらにひどくなっていく過程だったと言ってもいい。結局、ネットではバカや暇人がますます跳梁跋扈するようになった。

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