タレントの名誉毀損裁判のカラクリ〜なぜ島田紳助さんは敗訴で、AKBは勝訴?

Business Journal / 2013年9月5日 12時0分

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 弁護士法人アヴァンセリーガルグループのパートナー弁護士で、企業法務から民事/刑事事件、インターネット関連法務など幅広い分野で豊富な経験を持つ山岸純氏が、話題のテーマや身近な紛争事案などについて、わかりやすく解説します。

●名誉毀損が争われた最近の裁判  週刊誌やタブロイド紙などでは、著名人の不倫ネタや薬物犯罪、暴力団とのつながりなどが、毎週のように、いわゆる「スクープ」として取り上げられています。

 そして、このような「スクープ」の後に必ずついてくるのが、「スクープされた側」と「スクープした側」の間の名誉毀損裁判です。

 古くは、東京都知事の候補者をモデルにした小説が問題となった三島由紀夫著の「宴のあと」事件(昭和39年9月28日判決)があり、このとき、東京地方裁判所は、三島由紀夫や新潮社に対し、当時の金額にして80万円の賠償金の支払いを命じています。

 最近では、アイドルグループ・AKB48のマネジメント会社社長が、「週刊文春」の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の文藝春秋側に損害賠償などを請求した事件の判決で、9月3日、東京地裁は同社側に165万円の支払いを命じました。また、漫才師・中田カウスさんが週刊誌に名誉を毀損されたとして、雑誌社などに対し、5500万円の損害賠償などを請求した事件(平成25年4月26日、大阪地方裁判所は、「裏付け取材を十分にしておらず、記事が真実とは認められない」として、220万円の賠償金の支払いを命じています)や、元タレントの島田紳助さんの事件も有名です。

 島田紳助さんの事件は、平成23年10月15日発刊の「週刊現代」の「京都市内の不動産取引で、島田さんが暴力団組員と同席して交渉した」といった記事によって名誉が毀損されたとして、島田紳助さんと吉本興業が雑誌社などに対し5500万円の賠償金の支払いなどを求めた事件です。平成24年12月12日、東京地方裁判所は、週刊誌による名誉毀損を認め、110万円の賠償金の支払いを命じました。

 ところが、この事件の控訴審(第2審)で東京高等裁判所は、平成25年7月4日、「所属タレントと暴力団との関係を以前から指摘され続けていたのに、吉本興業は事実関係を把握しようとしていなかった」などとして、名誉毀損を認めず、島田紳助さんたちに逆転敗訴を言い渡しました。

●名誉毀損が成立するための要件

 そもそも、「名誉毀損」とはどのような行為を言うのでしょう。

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