なぜシャープは批判“報道”されるのか?いま社内で静かに進む、組織改革の実像と行方

Business Journal / 2013年9月16日 7時0分

 シャープの広報については、「オープンではない」「業績が良いときは売り込んでくるのに、事情が悪くなると、手のひらを返したように閉鎖的になる」「上の目ばかりを気にしている内向きヒラメ広報」という声を現場の記者や編集者から聞くことが多い。

 私見では、広報マン・ウーマンに限らずシャープの社員は、華やかな振る舞いは不得意だが、誠実な人が多いと思う。かつて、シャープに関する本を書くに当たり、きめ細かな対応をしていただいたことに今も感謝している。したがって、一時的な組織の印象を社員個人に当てはめて論じるようなことは控えたい。とは言え、最近のシャープの広報姿勢を見ていると、閉じた貝になっていることで、良さを発信できず誤解を招いているのではないかと案じざるを得ない。

 悪化した関係性のせいか、現在、マスコミが描くシャープは、かつて禁じ手とされてきた人員削減(希望退職)を断行してしまった「暗い組織」である。

●SNSを使用した社内限定のコミュニケーション

 では、今もシャープ社内は本当に暗いのだろうか。そうとは断定できない。その証拠に、最近同社では次のような光景が見られる(個人により感じ方が異なるので、第三者としてはあえて次のような一事実の描写にとどめておく)。

 長い間発行されてきた活字の社内報もなくなってしまったシャープでは、現在、社内限定のクローズドなSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)でコミュニケーションが行われている。例えば、高橋興三社長と社員の間でも隔たりのない会話が飛び交う。社員の情報に基づくと、例えば次のような具合だ。

 高橋社長 「今日、A社との納入契約が締結しました。今、新幹線に乗り、買ったばかりのチューハイを飲んでくつろいでいます」

 社員 「社長、お疲れ様でした。これは社内SNSですが、どこで取引先の社名が漏れるかわかりません。具体的社名を出すのはやめておかれたほうがいいのでは」

 高橋社長 「そうですね。社名は出さないようにします」

 このほかにも、アイデアを積極的に提案するだけでなく、実名を名乗り苦言を呈する社員も増えてきた。かつてのシャープでは、課長同士で話をして、部長に上げて、事業部長、本部長、副社長と手順を踏んでやっと事案が決定するという官僚組織の弊害が見られた。前述の「ヒラメ広報」という指摘も、このような組織文化を反映していたのではないだろうか。奥田前社長も個人的には温厚で話しやすい人柄だったが、高橋社長がより自ら積極的に対話していこうとする姿勢を打ち出したことで、「社内での風通しはよくなった」(社員)という声が聞かれるようになった。

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