“慌ただしい”地銀業界、再編機運高まりの舞台裏〜過当競争、金融庁の新方針

Business Journal / 2013年9月28日 7時0分

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 地方銀行(地銀)の東京都民銀行(本店・東京都港区、柿崎昭裕頭取)と第2地銀の八千代銀行(本店・東京都新宿区、酒井勲頭取)が共同で持ち株会社を設立。その傘下に2つの銀行が子会社として入る案を検討している。2014年秋の統合を目指す。

 戦後、東京都知事の諮問機関で中小企業支援のための銀行設立が答申された。これを受けて東京都や東京商工会議所の支援の下、1951年に設立されたのが東京都民銀行である。13年3月期末の預金量は2兆3348億円、貸出金残高は1兆7869億円。

 一方の八千代銀行は東京都のほか神奈川県を地盤とする第2地銀。1924年に住宅土地信用購買組合調節社として誕生。その後、信用金庫への転換を経て、91年に普通銀行(第2地銀)になった。3月末の預金量は2兆507億円、貸出金残高は1兆3776億円。

 両行が統合すれば預金量は単純合計で4兆3855億円となり、関東圏の地銀では横浜銀行、千葉銀行、常陽銀行、群馬銀行、足利銀行に次いで第6位に浮上する。

●生き残れる東京の地銀は1〜2行か

 東京にはメガバンクをはじめ全国の地銀の支店がある。さらに多摩地区には多摩信用金庫が中小企業向けで40%のシェアを持つなど信金の力は強い。城南信用金庫は地銀中位行並みの預金量を誇る。他の地域では地銀が高いシェアを持っているが、東京では極端に小さい。今後、東京で生き残れる地銀は1~2行といわれている。

 東京に本店を置く地域金融機関は東京都民銀行、八千代銀行のほか東日本銀行(本店・中央区)、東京スター銀行(本店・港区)の計4行がある。ほかに、地銀、第2地銀のいずれにも属していない、石原慎太郎前知事の肝いりで設立された新銀行東京(本店・新宿区)がある。東京都民、八千代の両行はATM(現金自動預け払い機)を相互に無料で開放しており、これまでにも経営統合の観測があった。

 東京都民銀行はもともと日本興業銀行系の地銀だったが、同行が富士銀行、第一勧業銀行と経営統合し、みずほフィナンシャルグループとなると、関係が希薄になった。経営の先行きを懸念した金融庁が、同じ関東の地銀中位行の千葉興業銀行、武蔵野銀行との経営統合を模索した時期もあったが、うまくいかなかった。

 八千代銀行は2000年に国民銀行の営業を譲り受けた。その際に注入された公的資金を、06年3月に資本提携した旧・住友信託銀行に第三者割当増資を行うことで返済した。住友信託銀行は旧・中央三井信託銀行と統合して三井住友信託銀行となった。これに伴い、八千代銀行との提携関係を打ち切り、保有している八千代株式(持ち株比率は14.7%、229万株)の買い取りを求めていた。メガバンクとの関係が薄れてきたことが、経営統合へ向かわせたわけだ。ここにきて、東京都民と八千代の統合に第3の銀行が合流するとの観測が流れている。“石原銀行”の異名を持つ新銀行東京である。

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