ネット上で「死ね」書き込みは、「殺害予告」に当たらない?微妙な表現の差が判決を左右

Business Journal / 2013年10月8日 6時0分

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 ネット掲示板に、アイドルグループ・AKB48のメンバーを「コロシテやる」と書き込んだり、プロ野球シーズン中に「これから西武ドームを爆破予告します」と脅迫して、書類送検されるような事件が後を絶たない。そんな中、ネット掲示板・2ちゃんねる上で企業社長を名指しして「死ね」と連呼した人物が損害賠償で訴えられた事件があり、先日ひっそりと判決が確定した。

 判決では「死ね」という文言は「殺す」という言葉とは違い殺意がない、として33万円の賠償金で決着した。今回は、ほとんど知られていないネット掲示板をめぐる民事訴訟事件のてん末をお伝えする。
 
 被害を受けたのは、都内で金貨販売業などを営むA社(仮名)。同社はブログを開設して、顧客に投資情報を提供したり、店舗の日記を掲載したりしている。このブログ名の名称「A」を2ちゃんねるのスレッド名にして、ブログのリンクを張りつけたスレッドがある。そこでは顧客と思われる人物たちがいろいろ書き込んでいて、スレッドのナンバーは優に10を超えている。(ひとつのスレッドの書き込みが1000を超えると、A2、3……というかたちで新しいスレッドが追加され、タイトルナンバーも更新されていく)

 その書き込みの中で、今回の事件は起きた。2011年10月14日〜 11月19日にかけて、以下のようなコメントが大量に匿名で書き込まれたのだ。

 「死ねB氏(仮名/A社の代表取締役) 死ねC氏(仮名/A社関係者)」(10月14日0時8分)
 「とっとと死ねB氏」(11月10日1時55分)

●プロバイダに対し、発信者情報の開示を請求

 その後、B氏とC氏は、掲示板のプロバイダであるNTTぷららに対し、上記投稿者の氏名、住所、電子メールアドレスの開示を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 プロバイダ責任制限法4条1項には、ネット上の「情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき」は、権利侵害された当事者が、プロバイダに対し、発信者情報の開示を請求できることになっている。プロバイダが開示しない場合は、裁判所に開示を求め提訴するケースが多い。これにならい、B氏らも提訴した。

 こうして裁判を開始したB氏らは、法廷でこの書き込みにより「大変怖い思い」をして、「執拗かつ悪質な侮辱行為により、耐えがたい屈辱感と精神的苦痛」を受けた、と訴えた。判決は12年6月20日に出て、訴え通り投稿者の情報が開示されることになった。

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