J.フロント、松坂屋跡地へのパルコ出店で “脱百貨店戦略”加速〜岐路に立つ百貨店業界

Business Journal / 2013年10月18日 7時0分

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 J.フロントリテイリングは8月、東京・上野の松坂屋上野店南館を閉店して建て替える新ビルに、グループ企業のパルコが出店すると発表した。2014年3月に南館の営業を終了し、17年秋にパルコが開業する。

 現在の地上7階建ての南館は地上23階、地下2階建ての複合施設となる。延べ床面積は約4万2000平方メートルの予定。パルコは地上1~6階に入居する。シネマコンプレックス(複合映画館)大手のTOHOシネマズが7~10階に、12~22階はオフィスのスペースになる。地下1階では大丸松坂屋百貨店が食品売り場を運営する。本館も全館改装する計画で、南館の売り場を順次移管し、14年3月にグランドオープンする。総事業費は約200億円。

 現在の松坂屋上野店の客層は50~60代が中心。都心部でファッションビルを運営してきたパルコが、20~30代が支持する衣料や雑貨のテナントを集めることで、客層を広げたいとしている。

 6月末に閉鎖した松坂屋銀座店の跡地では、銀座地区で最大規模の複合商業施設を17年に開業する。また、J.フロントは関西主力店である大丸心斎橋店の再開発も検討している。

 銀座パルコの可能性についてJ.フロントの山本良一社長は10月8日、「来客層などを総合的に考えてパルコは出店しないと判断した」と述べた。大丸心斎橋店についてはパルコ出店の可能性が残る。J.フロントは「脱・百貨店」を目指しており、その具体策が百貨店のパルコ化。J.フロントとパルコが店舗開発段階から協力するのは、上野が初めての試みだ。

●曲がり角を迎えた「百貨店」という業態

 J.フロントが脱百貨店を急ぐのは、従来の百貨店の業態では競争力を失ったからだ。今年に入り、安倍政権の経済政策・アベノミクス効果で都心の百貨店は高額の時計・宝飾、海外ブランド品が売れ、久々に活気を取り戻した。

 大丸松坂屋百貨店の直営店舗では明暗が分かれた。店舗別売上高の対前年増減率は15店舗の3~8月累計で7.0%増と好調だった。なかでも大丸東京店は35.6%増、松坂屋名古屋店は11.5%増と2ケタの伸びを記録した。

 しかし、高額ブランド品ブームの追い風が吹かなかった松坂屋上野店は1.6%の減。大丸心斎橋店も0.9%減と振るわなかった。

 松坂屋上野店は、南館を建て替えてパルコ化する。大丸心斎橋店の再開発でもパルコのノウハウを生かし、手薄な若者客を呼び込むことにした。

●J.フロントのパルコ効果

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